S&P500指数は先週またも史上最高値を更新、ナスダック総合・NYダウは史上最高値に接近
S&P500は6月10日、11日と2日連続引け値ベースで史上最高値を更新し、4,247ポイントで1週間を終えました。1週間の上昇率は0.41%となっています。ナスダック総合もダウ工業株30種指数も史上最高値更新まで、それぞれ約1%、2%となっています。
6月10日には2008年来の記録的なインフレ指数を発表するも米10年債利回りは下落。現在のインフレは一時的なものであるとのFRB(米連邦準備制度理事会)の見解を素直に信じているかのような反応を示しています。
米国でのヒト不足とのモノ不足の状況については6月7日付のコラムで書いた通りです。先週末も米国の経済TV番組ではレストランオーナーが現在給料を上げても働き手がなくて困っていると話している様子や、牛肉の価格が急騰し、レストランの値段を上げざるを得ない状況が報じられていました。このようなモノの値上がりは一時的でない、という意見も多く散見できるなか、果たしてFRBの見解は正しいのか注意深くモニターする必要があります。
相場を牽引しているのは引き続きグロース株
そんな中、株式市場では、相場のリーダーシップの交代が本格化しています。6月9日付のコラムでは、2021年米国株相場を牽引してきたバリュー銘柄の上昇は一休みとなり、グロース銘柄が活躍しはじめたのではないかという考えを述べました。チャートの動きを見ると分かるように、実際先週の米国市場でも相場を牽引したのはグロース銘柄でした。先週S&P500ピュアバリュー指数は1.83%下落、S&P500ピュアグロース指数は1.64%上昇しています。
リーダーシップの交代の理由については、米10年債利回りの低下を受けグロース銘柄がバリュー銘柄をアウトパフォームしたこと。加えて6月9日付のコラムで説明した通り、バリュー銘柄の収益予想がグロース銘柄の収益予想と比べて高い水準で推移してきたものの、第2四半期の決算発表以降、その成長率の差が縮まってくると予想されていることが考えられます。
さらに、先週は今までテクノロジーセクターに対して弱気であったウォール街の著名ストラテジストが強気に転じるなど、2021年あまり元気がなかった同セクターが再び注目されています。
これからもS&P500が史上最高値を更新し続けるにあたっては、久しぶりにGAFAM系のメガ・グローバル・テクノロジー銘柄の活躍が鍵になるのではないかと考えています。