荒れ相場が続いていますね。
ここのところ、株式、為替、金利、どの市場もジェットコースターのような動き(大半は急降下でしたが)をしています。
今週は日銀が金融政策決定会合を開催(22日、23日)しますし、まだまだ市場から目が離せない状況です。

この「目が離せない」はスクリーンの前で刻々と変わる価格変動を追うことを意味していません。価格変動に一喜一憂をしながら、相場を狙って取引をすることを勧めているわけではありません。何かのイベントがあるとき、その結果どの市場でどのような反応があったかを見て理解しておこう、という意味です。
「市場は生き物」「各市場は常に連動している」
このコラムでも何度か、書いてきた言葉です。今回のような「理由のあるイベント」があるときは(市場は分析不能な不可解な値動きをすることもあります)、
どんな影響があるのか見ておくことで、各市場がどのように連動しているのか、どんなときにどちらの方向に相場は動くのかを経験として知ることができる良いチャンスです。

今回の相場変動の発端となっているイベント、それに伴う動きとしてニュースに取り上げられているものを挙げてみると・・・

・ サブプライム・ローン問題 → 信用収縮懸念 → 株価下落
・ 円キャリーの解消 → 円高 
・ FRBによる公定歩合の緊急引き下げ → 金融市場の混乱への対処 → 株価反発
・ 日銀 金融政策決定会合での利上げ問題 → 8月は見送りという見方が大多数

それぞれのイベントは国内問題に留まらず、世界中を駆け巡り、株式、為替、金利、全ての市場に相互に影響を与え合っていることがわかります。

相場はなかなか教科書どおりには動いてくれませんし、原因と結果が逆になると(つまり株価の変動が原因→為替が変動のケースと為替の変動が原因→株価が変動のケースの二つのパターン)動きの方向も変わってきます。
教科書やテキストを開いて、頭でシミュレーションをしてみても、なかなかイメージは掴みにくいものです。

ここのところ立て続けに起きている事象は、一つ一つのイベントの意味を理解してさえいれば、ストーリー仕立てで相場の展開を見ていくことができます。これから投資を始めよう、という人は言葉の難しさや相場の大きな変動に嫌気してしまわずに、良い機会だと思って生きた相場変動を学ぶ場にしてみてください。

既に投資をしている方は、少なからず火傷を負った方が多いと思います。マイナス・リターンになる、損切りをする、といった行為の後に「運用嫌い」になってしまう方もいますが、授業料だったと思って、相場の動きを再認識する場にしてみてはいかがでしょうか?相場は決して一本調子はありません。上がるときもあれば、大きく値崩れすることもあります。値崩れしたところで止めてしまうのはもったいないと思いませんか?

マイナスになったとき、その理由を考え、ヘッジする方法を考え、その上で新たに投資していく、この立ち直りが投資をしていく上では大切だと思います。投資は学ばなければ上手くならないというのが、弊社の基本理念ですが、もう一つ、学んだだけで経験を積まなければ、やはり上手くはならないものです。
ぜひ今回の相場については株式市場だけ、為替市場だけ、という見方をせずに各国、各市場の動きの連動を見る良い機会にしてみてください。(そしてご注意ください!)
まだまだ、ジェットコースターは止まる気配はありませんので・・・