今週は夏休みという方も多いかもしれませんね。
ふだんは忙しくて家のことをじっくり話す/考える機会のない方もいらっしゃると思います。こうした機会に家計のこと、将来のこと、ご夫婦で話してみてはいかがでしょうか?
といいますのも、こんな質問が寄せられました。

「配偶者との考え方が違う場合の運用方法はどのようにすればよいでしょうか?配偶者が株式だけの場合や海外資産を全く保有しないなどの場合、家計全体でアロケーションを考えるべきか、家計全体のアロケーションの偏りを無視して、自分の分だけで分散させておくべきか、悩んでいます。」

まず、家計のお財布を一つとしているのか、二つ以上にしているかで変わってきます。
現時点でお財布が二つだとしても、将来的に合算して考える予定があるかによっても異なります。これは、例えば下記のようなケースが考えられます。
1. 現在共働きでそれぞれが資産管理しているが、共同で住宅購入予定。2. 現在共働きそれぞれが資産管理しているが、出産後に妻は仕事をやめる予定。
3. 現在はそれぞれが資産管理しているが、老後資金は合算して考える。
これとは別に一見、一つのお財布である、
4. 家計は一つだが、それぞれにシングル時からの資産を個別に保有している。   というケースもあることでしょう。

さて、基本的にライフプランニングや家計資産の考え方では、収支は全て合算して、家計単位で考えるようになっています。
そういう意味ではお財布が二つであっても、合算した金額で家計全体の貯蓄額を把握しますから、アセットアロケーションも家計単位が標準となります。特に上記1〜3のように将来的に合算して考えるような場合は、家計単位で考えていかないといざとなったときに流動資金が手元にない、といった状況になりかねません。

話は変わりますが、よく雑誌のボーナス時などで、「プロにきく100万円のアセットアロケーション」といった企画があります。プロを参考にアセットアロケーションすることは大切ですが、そこで注意したいのが金額です。
実は300万円保有しているのに、雑誌のとおり100万円だけ忠実にアセットアロケーションして残りは預貯金のままにしたとします。例えばそのアセットアロケーションは流動性資産を50%にする、とあった場合、100万円のうち50万円を預貯金などにすると、結果として、その人の保有資産全体のうち250万円、つまり80%以上を預貯金で保有してしまっていることになります。

家計でも同じことが言えますよね。全体で考えないとひどい偏りとなってしまう結果、アセットアロケーションの十分な効果が得られないこともありえます。
それぞれで資産管理している場合でも、万が一のとき、使用予定のとき、流動性資金の確保ができることは確認しておくことは大切です。
その上で、もし配偶者が自己保有資産のほとんどを株式で保有しているような場合は、自分はなるべく株式以外の資産で運用する、配偶者が全く外貨建て資産に興味がないような場合は、自分で外貨建て資産を多目に保有する、というようにバランスをとるように心がけた方がよいと思います。

一生合算しなくともそれぞれが十分に資産を保有しており、かつそれぞれがアセットアロケーションをしっかりしている場合であれば合算しなくてもよいとは思いますが、それでもお互いが保有している銘柄が重ならないようにするなどのリスクヘッジはしておいて損はないと思いますよ。