【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,466.24 △19.10 (6/10)
NASDAQ: 14,020.33 △108.58 (6/10)
1.概況
米国市場は米CPIが市場予想以上に上昇したものの、長期金利が低下したことで緩和的な金融政策が長期化するとの見方から上昇しました。55ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に290ドル高まで上昇した後上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく前日終値近辺で下げ渋るとその後やや持ち直し結局19ドル高の34,466ドルで取引を終え4日ぶりに反発となっています。また、S&P500株価指数が19ポイント高の4,239ポイントと反発し5月7日に付けた史上最高値(4,232ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も108ポイント高の14,020ポイントと反発し節目の14,000ポイントを回復しています。
2.経済指標等
5月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.0%上昇し2008年8月以来12年9カ月ぶりの高い伸びとなり市場予想も上回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比9000件減の37万6000件となり約1年3カ月ぶりの低水準となりましたが市場予想ほど改善しませんでした。5月の米財政収支の赤字額は前年同月比66.9%減の1319億ドルとなっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケアや不動産、情報技術などの7業種が上げ、ヘルスケアが1%を超える上昇となったほか、不動産も1%近く上げました。一方で金融や素材などの4業種が下げ、金融が1%以上の下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では新型コロナウイルスワクチンの接種を受けやすいように6月中の金曜日の営業時間を延長すると伝わったウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が3%を超える上昇となったほか、新薬の臨床試験の成功が伝わったメルク(MRK)も3%近く上昇しました。アムジェン(AMGN)も2%以上上げています。一方でキャタピラー(CAT)が4%近く下げたうえ、ゴールドマン・サックス(GS)も2%以上下落しました。ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を上回った高級家具販売のRH(RH)が急伸し15%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.06%低い1.43%となりました。ドル円は109円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でダウ平均が小幅な上昇に止まったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日は3ヶ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)