今日々ニュースや新聞で大問題となっている年金問題はなかなか収まりそうもありません。国民年金は私たち全員の問題であるのですが、どうも身近に感じられない、難しくてわからない、という方が多いのではないでしょうか?
特にサラリーマンの皆さんはお給料から社会保険料は天引きされますので、一体いくらを何に対して支払っているのか、知っている方のほうが少ないかもしれませんね。
社会保険料というのは厚生年金保険料と健康保険料のことです。サラリーマンは厚生年金保険料を納めることで国民年金にも加入していることになりますので、今の国民年金問題ももちろん他人事ではありません。(サラリーマンは国民年金+厚生年金の2階建てです。)

今日はこの社会保険料の金額がいつ、どのように決まるのか、について書きたいと思います。

社会保険料はお給料の額によって異なりますが、この「お給料」には基本給以外に支給される各種手当(残業手当、通勤手当、住宅手当などなど)も合わせた総額のことで、社会保険料はこの総額に対してかかります。つまり、同じお給料の人でも、例えば通勤手当が高い人は社会保険料が高い可能性があります。(通勤手当は月割額にして計算対象となります。)

さて、この社会保険料、1年毎にその年の保険料が決定されます。原則として4月から6月の3ヶ月間の給料を平均し、「標準報酬月額」を決定、標準報酬等級表(平成19年4月より、健康保険料は5万8000円から121万円までの47等級、厚生年金は9万8000円から62万円までの30等級)に当てはめて1年間の社会保険料を決定(その年の9月から適用)します。社会保険料は事業主と折半、つまり自己負担分は総額の半分です。(賞与については別に標準賞与額というのを決めます。保険料率は毎月のものと同じです。)

標準報酬等級・保険料額表はコチラ(厚生年金基金に加入する方を除く一般の方)
http://www.sia.go.jp/seido/iryo/ryogaku1904/ryogaku01.pdf

つまり、4月から6月に受け取る給料が残業代等で大きく増えた場合、その3ヶ月の平均で等級が上がってしまうことがありえます。もし7月以降残業がほとんどなかったとしても、9月からの1年間の社会保険料は上の等級で決められた社会保険料が天引きされることになります。
昇給・降給や賃金体系の変更などによって大きく標準報酬月額が変更する場合は、
途中で見直す制度もあります。

先日社内で社会保険料の話になった際に、3〜5月の残業が多いと(つまり4〜6月の残業代が多いと)月々の社会保険料負担が大きくなる可能性がある、という話にショックを受けていた者が多く、社会保険料は自動天引きであるがために一般に知られていないことも多いのだと改めて感じた次第です。
この話は、本当は2月か3月に書けば、皆さんのお役に立ったかもしれなかったのですが、ぜひ来年まで頭の隅に残していただければ、と思います。
そうはいっても、サラリーマンが3〜5月だけ(しかも決算時期!)残業をコントロールするなどということは難しいのではありますが・・・

天引きとはいえ、全て自分自身に係ることですから、ぜひ一度ご自身の社会保険料をチェックしてみてくださいね。