現代の女性の生き方は多様です。結婚する人、しない人、子供を持つ人、持たない人、働く人、働かない人、女性は自らその組み合わせを選んで生きるようになりました。
ライフプランやライフスタイルも人それぞれです。
当然一つの商品で、あらゆる女性のニーズを満たすものというのは不可能です。その割には相変わらず「女性専用の…」「女性向けの…」を謳った金融商品が目に付きますね。保険に投資信託・・・ まずは保険から。
女性の生き方は多様化してきているので、一人一人事情は全く異なるはずであることは前述のとおり。保険の「女性向けプラン」も、中身を確認せずに「私は女性だから」と加入してしまうのは無謀というもの。
どの部分が「女性向け」なのか、なぜ「女性向け」と謳っているのかを確認して、それが本当に自分に必要なものかを考えることが大切です。
(女性の)皆さんはどんなタイプの保険に入られているでしょうか?自分が死んだときに初めて保険金が下りる[死亡保障]のタイプに加入されている方が多いのではないでしょうか。そもそも死亡保障とは、その人が亡くなると経済的に困る(生活に困る)人がいる場合に必要な保障です。
もちろんシングルマザーだったら自分にもしものことがあった場合を考えて十分な死亡保障のあるこうした保険が必要ですが、それ以外の女性で一家の経済の担い手でない場合はそんなに大きな死亡保障は必要ないですよね。
これは男女を問わず全ての人に共通することですが、保険に加入するにあたっては本当に自分に必要なものは何か、を知ることがもっとも大切です。決して「勧められたから(つきあいで…)」「流行っているから」「他の人も入っているから」などという理由で入るものではありません。
それでは女性に必要な保障とは一体どういうものでしょう。
日本の女性は世界一の平均寿命を誇っていますから、一般に老後は長いものと考えられます。ですから長生きのリスクに備えるものは重要となってきます。長い老後を少しでも豊かに暮らしていきたい、誰もが思いますよね。
高齢になれば病気になる率も高まります。もちろん若くとも女性特有の病気というものがあり、かかる率は意外と高いものです。(30歳以上の女性の20%は小さいものも含めてですが子宮筋腫があるとも言われます。)
二つ目はこうした病気のリスクに対する備えです。
死亡保障については、前述のとおり個々人で大きく違ってきますので、自分に何かあったときに誰にお金を残す必要があるか、と言う点で考えてみましょう。
さて、一つ目の長い老後を豊かに暮らすための保障についてです。
年金や養老保険を思い浮かべる方も多いと思いますが、金利が上昇しつつあるとはいえ、まだまだ予定利率が低い今、増やすことを目的とするのであれば、長期間低予定利率い甘んじてしまうのは考えもの。
年金であれば変額年金のように予定利率自体を高めに設定した上、自分で運用することで利回りアップを狙うような商品なら良いかもしれません。ですが視点を変えて、[死亡保障]の部分は本当に必要なのか、という点を確認してみましょう。もし必要ないのであれば、シンプルに投資信託で運用することで[保険部分のコスト]がかからない分、より利回りのアップを狙うことが可能です。
また、途中で使ってしまう・・・と自分に自信のない方は長期間解約できないタイプに縛っておくのも一つの手です。10年ものの債券(この場合は特に発行元の信用リスクに注意が必要です。また、金利の低いときに長期固定することは避けるようにしましょう。日本円はまだまだ低金利ですが、今なら金利が高止まりしている米ドル建債券などは注目です。)、長期解約不可の投資信託など。
まさに長期分散投資を行い、時間を味方にお金を殖やすことによって、実は「保険」「年金」と名のつくものでなくても代用は可能なのです。
二つ目の病気のリスクです。
男女を問わず、病気のリスクには備えておきたいもの。(ただしたっぷりとお金を持っている人は例外です。保険に入らなくとも入院時などに充分カバーできます。)
最近はテレビのCMなどでも医療保険が大人気ですね。
以前は死亡保険の特約だけ、というケースが多かったのですが、特約では本当に医療保障の必要になる高齢になった時点で更新不可といったものが多くあります。注意してください(更新できても大変高額な保険料になってきます)。
現在の医療保険は終身のものも含め、ガン保険のような病気の種類を限定したものなど、たくさんの種類があります。
ただ、病気のリスクを気にするあまり、特約も医療保険もガン保険も、とてんこ盛りで保険に加入している方もいるようです。入院したときに「保険金儲かった」というほどの保険に加入している場合、たいていは保険料を払いすぎているような状況ですので、こちらも注意してくださいね。
前述の女性特有の病気については、「女性向けの保険」というのは女性特有の病気への保障を厚くしており、この点については要チェックと言えるでしょう。
また専業主婦の方など家族型の医療特約などで加入している場合は主契約の方(ご主人)に万が一のことがあると、自分の医療保障もなくなってしまいますので気をつけてください。
保険は意外と大きな買い物です。
女性の方が「女性向け」だからと安易に決めてしまうのではなく、自分に必要な保障は何かということを明確にしてから保険に加入するようにしましょう。 もちろんこれは女性に限ったことではありませんので男性の方もご自分の加入している保険は一度見直しをしてみるとよいでしょう。