【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,529.45  △64.81 (5/28)
NASDAQ: 13,748.74  △12.46 (5/28)

1.概況

先週末の米国市場は好決算を発表したセールスフォース・ドットコム(CRM)の大幅高もあり上昇しました。93ドル高でスタートしたダウ平均は取引開始直後に166ドル高まで上昇した後55ドル高まで上げ幅を縮めましたが、持ち直すと昼過ぎには150ドル高近くまで再び上げ幅を広げました。しかし、3連休を控えて引けにかけて上げ幅を縮めると結局64ドル高の34,529ドルで取引を終え3日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も12ポイント高の13,748ポイントと反発しています。

2.経済指標等

5月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)は75.2と前月から上昇し1973年11月以来47年半ぶりの高水準となり市場予想を上回りました。4月の米個人所得も前月比13.1%減となりましたが市場予想を上回りました。また、4月の個人消費支出(PCE)は前月比0.5%増となり市場予想と一致しました。5月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も82.9と速報値から上方修正され市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や公益事業、情報技術などの7業種が上げました。一方でコミュニケーション・サービスや一般消費財・サービスなどの4業種が下げています。

4.個別銘柄動向

決算が市場予想を上回る増収増益となったうえ、通期の見通しも上方修正したことでセールスフォース・ドットコムが5%以上上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、ダウ平均を1銘柄で80ドル余り押し上げました。また、半導体株が堅調でエヌビディア(NVDA)が5%近く上げ上場来高値を更新したほか、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も2%余り上げています。一方で安全点検の問題で当局から追加の情報提供の要請を受けたため中型機787の納入を一時停止したことを明らかにしたボーイング(BA)が1%を超える下げとなりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%低い1.58%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は先週末に日経平均が600円高となった反動で下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の29,000円を前に底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。また、本日は日本時間の10時に中国で製造業と非製造業の5月の購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)