「オルタナティブ投資」と聞いてどのように感じられますか? まず言葉が難しいですよね。何であるかの説明では「代替投資」、中身についての説明には「ヘッジファンド」、「プライベート・エクイティ」・・・
投資初心者にはその言葉からハードルに感じることも多いかもしれません。
そもそも世界の市場にオルタナティブ投資というものが登場してから、まだそんなに歴史はありませんし、これがプロだけのものではなく個人投資家にも投資できるものとなってからは、まだ10年の歴史もないくらいなのです。 日本語のぴったりとわかりやすい訳語なども登場する間もなく、英語がそのままカタカナとなって私たちの目に触れるようになったことも、言葉を聞いてイメージしにくい理由の一つなのかもしれません。

また、言葉は新聞や雑誌などを通して見聞したことはあり、中身はわからないけれど、なんとなくイメージだけもっているということも多いのではないでしょうか。
「ヘッジファンド」→「ハゲタカ外資」→「悪者」 といった具合です。
ほとんどの場合、誤解が誤解を生み、イメージが一人歩きしてしまっているようです。

では、オルタナティブ投資ってどういうものなのでしょう?何の代替なのでしょうか?
昔から存在する金融商品の代表として、皆さんご存知の株式と債券があります。投資信託も株式や債券に投資をしている商品です。
国内外の株式市場、債券市場への投資では、一般的に「安く買って高く売る」ことによって利益を得ようとしますね。例えば株式であれば、上場している、誰でもアクセス可能な株式を「買うこと」から始めるのが「伝統的な」投資方法です。
オルタナティブ投資では同じ株式や債券に投資するのであっても先物やオプションなども駆使し、「売っておいて安くなったら買い戻す」という手法も使います。
そういった点が「伝統的」に対して「代替的な」投資方法だということです。
ただ、単に「売ること」から始めるだけではなく、徹底的な情報収集のもと、本来あるべき価格を緻密に計算し、市場価格のほうが高ければ売り、安ければ買い、それらを組み合わせ、時としてそれを借入れなどの方法を使い、手持資金よりずっと大規模な巨額の投資(レバレッジを効かせると言います)を機動的に行っています。

こうした投資はオルタナティブ投資の中でも「ヘッジファンド」と呼ばれるものです。「ヘッジ」とは「防ぐ」「防御する」という意味です。何を防御しているのかといえば、「リスク」からです。市場を荒らす「悪者」のようなイメージが浸透していますが、本来リスクから投資資金を守っている投資といえるのです。
投資資金を守る=元本を守るため、つまり絶対的な収益を目指すため、あらゆる手法を使うプロによる投資といえますね。
もちろん、いかなるプロであっても本当の「絶対」はありませんし、レバレッジを効かせている分、巨額なマイナスにつながることもあることはお忘れなく・・・

さて、もう一つ代表的なオルタナティブ投資に、「プライベート・エクイティ・
ファンド」があります。こちらはこれまで見てきただれでもアクセスできる公開市場経由ではなく、「未公開企業」への投資です。これから育つ企業への投資や、経営に行き詰っていてテコ入れが必要な企業への投資など種類も様々ですが、まさに私たち個人投資家が普通に売買できる「伝統的な」投資とは異なるものです。

最近では、こうしたプロのものだった「オルタナティブ投資」もファンドの小口化で、私たち個人投資家にも手の届くものとなってきました。

このほか、最近は不動産(REITとしてお馴染みですね)や映画、アニメなど様々なものが投資対象となっており、「オルタナティブ投資」という言葉のハードルを、気が付いたら乗り越えている場合もあるかもしれませんね。-----
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