【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,896.04  ▼164.62 (5/19)
NASDAQ: 13,299.74  ▼3.90 (5/19)

1.概況

米国市場は一時30,000ドル近辺まで下げた暗号資産のビットコインの急落やFOMC議事要旨が重石となり3日続落となりました。114ドル安でスタートしたダウ平均はまもなくして586ドル安まで下落しましたが、ビットコインが40,000ドル近くまで戻したこともあって持ち直すと結局164ドル安の33,896ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も3ポイント安の13,299ポイントとなっています。

2.経済指標等

4月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、複数の参加者が米経済が目標に向かって急速な進展を見せれば今後の会合のどこかの時点で資産購入ペースの調整について議論を始めるのが適切になるかもしれないとみていることが分かりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、エネルギーが2%を超える下落となったほか、素材も1%以上下げています。一方で情報技術とコミュニケーション・サービスの2業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が下げました。そのなかでも原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)が3%近く下げたほか、ナイキ(NKE)も2%近く下落しました。また、ゴールドマン・サックス(GS)とダウ(DOW)、ボーイング(BA)、キャタピラー(CAT)も1%以上下げています。一方で投資判断の引き上げを受けてセールスフォース・ドットコム(CRM)が3%を超える上昇となったうえ、インテル(INTC)も1%近く上げました。

ダウ平均構成銘柄以外では、暗号資産のビットコインの急落を受けて暗号資産交換業者のコインベース・グローバル(COIN)が6%近く下げ、多額のビットコインを保有する電気自動車のテスラ(TSLA)も2%を超える下落となっています。ディスカウントストア大手のターゲット(TGT)は決算が市場予想を上回る増収増益となったことで6%余り上げています。

5.為替・金利等

長期金利はFOMC議事要旨で量的緩和縮小の議論開始についての言及があったことでテーパリング(量的緩和の縮小)の可能性が意識され0.04%高い1.67%となりました。ドル円は109円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,000円を割り込んだ水準で押し目買いの動きがみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)