テスラがBTCを全売却する?

株式市場が軟調ですが、仮想通貨市場も全面安となっています。先週の米消費者物価指数(CPI)の発表をきっかけに主要国の株価が下落し、暗号資産も連安となっていました。

そこへきて、テスラのイーロン・マスクCEOの以下の発言です。この発言により、暗号資産市場が崩れ始めました。

上記ツイッターの投稿にて、マスク氏はテスラが自動車販売におけるBTC(ビットコイン)決済を停止したことを明らかにしています。その理由として、BTCが生み出すマイニング(採掘)と取引がエコ(環境に優しい)システムではないとの懸念を挙げています。

さらに本日(5月17日)、マスク氏がツイッター上にてテスラ社の残りのBTC売却を連想させるような発言を受けて、今朝方からBTCは下値を更新しています。


前回のコラムでも5月後半からの高値警戒感を指摘していましたが、少し早い段階でその値動きが出ているように感じます。

今週より少しショートトレードができそうですで、今回は戻り売り局面でのお話をしたいと思います。

BTC/JPYのショートトレード戦略

調整ターゲットは400万円?

【図表1】BTC/JPY日足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPYは500万円を割り込んできました。次のサポートラインは460万円付近です。ここを割り込むと、次のサポートは400万円となります。

高値圏でのもみ合いが2.5ヶ月間と長引いたことを考慮すると、ポジションが一巡し、高値圏での押し目買いをした投資家は少なくないと思います。ですので、まだもう少し深い下落になるかもしれません。

460万円付近のサポートでの押し目買いは見送りとし、400万円から買い指値注文を入れて構えて待つ、といったスタンスにすると良いかもしれません。

まだ500万円を割ったばかりですので、戻り売りで10%ぐらいの値幅を十分に取れるチャンスがあると思います。

では次に、4時間足で短期ショートトレードのエントリーポイントをご紹介します。

507万円が戻り売りのショートポイントか

【図表2】BTC/JPY 4時間足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

4時間足に時間軸を落とします。単純ですが、レジサポラインが引ける507万円が戻り売りのポイントとなりそうです。ここをバックにショートエントリーを、ターゲットを460万円と400万円手前にそれぞれ添えて、短期トレードを狙います。

もちろん、長期BTCやETH(イーサリアム)の現物ポジションをお持ちなら、ヘッジ目的としてレバレッジ取引でショートトレードにてリスクを減少させる、という使い方もできるかと思います。レバレッジ口座ですので資金効率は良いと考えられます。

テクニカル上では、ボリンジャーバンドがエクスパンションを開始し、MACDはマイナス圏に沈んでおり、下落トレンドが発生しやすい状況でもあります。

日足への波及に期待して、ショートエントリーです。

ストップは、560万円を超えたポイントで次のレジスタンスラインが引けるあたりで良いと個人的には考えます。ボラティリティが高いため、レバレッジは1倍程度にて、現物とヘッジで帳尻を合わせた安全運用が良いのではないでしょうか。

ETHも高騰続きの反動あるか

【図表3】ETH/JPY 日足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

では、ETHの日足分析に移ります。5月15、16日には比較的長い陰線が出現しています。

現在前日比で10%の下落となり、BTCを上回っています。本コラムの連載をスタートした1月には10-15万円で推移していましたから、それ相応の下落があっても不思議ではないでしょう。48万円付近まで上値を伸ばしていましたので、今後もそれなりの調整がありそうです。

2021年は21万円前後から35%調整し、13万円台まで下落することがありました。単純ですが、48万円から35%調整しますと31.2万円です。この程度の調整を覚悟した上で、次のチャンスを計算しておいたほうが良いと考えています。

また、サポートラインは29万円から引けます。つまり29-32万円あたりが買い場となるように思います。

BTC同様にレバレッジトレードでショート戦略も良いですし、急落を予め待った買指値注文で待機しておくのも1つの手でしょう。

現在、アルトコイン市場はさらに下落幅が拡大しています。暗号資産市場全体は、アルトコインからBTCに回帰するフェーズがやってくると個人的には考えています。前回のコラムでBTCの比率を上げたトレードについてお話したのも、それが理由です。

いずれにしても調整相場を狙ったショートトレード、現物のヘッジを込めたポジションの縮小や深い押し目買いのチャンスなど、5月は資金管理と買い場が到来する可能性が考えられます。

米経済指標も「予想外」の数字が出ているため、今後もちょっとしたショック相場があるかもしれません。個人的には今週から暗号資産市場はベア目線、またはかなり深い押し目買い待ちを狙ったトレードに切り替えたいと思います。