株式投資を始めたい、でもどの銘柄を選んでよいのかわからない・・・といった方には、株式に投資をしているタイプの投資信託は大変効率的な商品です。
投資信託は多くの人からお金を集めて、プロ(ファンドマネージャー)が運用する商品です。個人投資家がたくさんの銘柄の株式を購入するには多額のお金が必要ですが、投資信託であれば、少額から購入でき、効率的な分散投資が可能です。ただ、他人に預けて運用してもらうわけですから、自分で株式投資するよりコストがかかります。もちろんプロが運用するといっても、必ずしも儲かるわけではないことは皆さんもよくご存知だと思います。
さて、せっかく株式に投資するのであれば価格を把握した上で売買をしたい、と考えている方、株式売買するのであれば、「成行注文」ではなく「指値注文」で行いたい方にとっては、国内株式投信は少し物足りないかもしれません。通常、投資信託は価格を聞いてから売買を決められる商品ではないからです。投資信託の価格は日々の市場価額を反映した「基準価額」です。ただ購入申込をする時点(営業時間内)においては前日の基準価額を見ていることになり、取引価格は注文したその日の市場が終了してから算出される基準価額が適用されます。つまり、日中株式相場のニュースを聞き、株式相場は値上がりしそうだから買おう!と注文しても、注文後引けまでの間に急騰してしまえば、結果として高値で購入しなければならなくなることもありえるのです。(もちろんその逆もありますが)
でもそんな方にも納得の投資信託が、2001年に登場したETF(上場投信)です。その名の通り、「上場」しているわけですから、普通の株式取引のように「指値注文」ができるのです。
しかも日経平均やTOPIXといった誰にでも馴染みのある指数と連動しており、かつその価格もそれらの指数に近い数値です。
例えば日経平均が15890円のときはETFも15890に近い価格となります。株式投資初心者でも株式市場のニュースさえ聞いていれば価格が上がっているのか下がっているのか、非常にわかりやすいのです。(国内株式投信のパッシブ運用のものも指数に連動するように運用していますが、基準価額は日経平均やTOPIXの指数とは違います。)
もう一つのメリットは、保有コスト(信託報酬)が安いことです。とくに長期投資をする場合は保有コストはジワリジワリと負担増になっていくものですが、ETFの場合は、パッシブ運用の投信に比べても、一段と安くなっています。
また、上場しているわけですから全国どこの証券会社でも売買できますし、通常の株式と同様の優遇税制を受けることも可能です。
では、パッシブ運用の投信より、全ての面で魅力的なのでしょうか?
通常の投資信託の方が有利な点ももちろんあるのです。
例えば購入時。ETFは通常の株式と同様の売買手数料がかかりますが、ノーロードで購入できる通常の投信であれば販売手数料ゼロですから有利です。また、ETFの売買単位は、日経平均連動型で10株、TOPIX連動型では少なくとも100株と、最小単位で購入しようとしても、いずれも現在の株価水準では少なくとも約16万円の資金が必要となります。1万円程度から積み立て購入などができる投信の方が、より手軽であるといえますね。
株式投資信託はたくさんの種類がありますが、ETFの種類はまだまだ限定的です。ただ、世界のETFは本当にたくさんの種類があり、バラエティに富んでいます。残念ながら日本国内では、直接購入できる海外のETFはごくごく一部だけですが・・・
今後日本国内においても様々なタイプのETFが登場してくることにぜひとも期待していきたいですね。