【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,587.66  ▼681.50 (5/12)
NASDAQ: 13,031.68  ▼357.75 (5/12)

1.概況

米国市場は長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出たうえ、消費関連や景気敏感株にも売りが広がったことから大幅に3日続落となりました。62ドル安でスタートしたダウ平均は一日を通して下げ幅を広げると引け間際に713ドル安まで下落し結局681ドル安の33,587ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も357ポイント安の13,031ポイントとなっています。

2.経済指標等

4月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.2%上昇し2008年9月以来12年7カ月ぶりの高い伸びとなり市場予想も上回りました。また、4月の米財政収支の赤字額は前年同月比69.4%減の2255億ドルとなっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が下げました。そのなかでも一般消費財・サービスが3%を超える下落となったほか、情報技術も3%近く下げました。また、素材と資本財・サービス、不動産、公益事業、コミュニケーション・サービスも2%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中28銘柄が下げました。そのなかでもホーム・デポ(HD)が4%余り下落したほか、ハネウェル・インターナショナル(HON)も4%近く下げました。また、ボーイング(BA)も3%以上下げたうえ、マイクロソフト(MSFT)も3%近く下落しました。一方でメルク(MRK)とシェブロン(CVX)が小幅に上げています。

ダウ平均構成銘柄以外ではハイテク株に売りが出るなか電気自動車のテスラ(TSLA)が4%以上下げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も3%余り下落しました。半導体株も安くマイクロン・テクノロジー(MU)が5%近く下げ、エヌビディア(NVDA)も4%近く下落しました。クアルコム(QCOM)とアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も3%近く下げています。さらに保険のレモネード(LMND)が決算で1株損益が市場予想を下回ったことで急落し18%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は米CPIが高い伸びとなったことで0.07%高い1.69%となりました。ドル円は円安に振れ109円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)