ファイザー(PFE)決算:一株利益は93セントで市場予想を上回る
企業概要
ファイザーは、世界最大手の製薬会社のひとつであり、年間売上高は500億ドル近くに上る。年間80億ドル近い大規模な研究開発投資を行っている。以前は多くの種類のヘルスケア製品および化学医薬品を販売していたが、現在は処方箋薬とワクチンが売上高の大半を占めている。肺炎球菌ワクチンのプレベナー13、がん治療薬のイブランス、心血管疾患治療薬のエリキュース、自己免疫疾患治療薬のゼルヤンツが売上高の上位を占める。これらの医薬品は世界各地で販売され海外市場が全社売上高の50%近くを占める。また、海外市場では新興国市場が収益に大きく貢献している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比21%増の145.82億ドル(市場予想は136.18億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・93セント(市場予想は78セント)
★純利益・・・前年同期比17%増の52.62億ドル(市場予想は43.47億ドル)
2021年度通期ガイダンス
★売上高・・・705-725億ドル(従来予想は594-614億ドル、市場予想は627.8億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・3.55-3.65ドル(従来予想は3.10-3.20ドル、市場予想は3.36ドル)
決算総括
第1四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。
2021年度通期ベース売上高、及び調整済みEPSガイダンスレンジをそれぞれ引き上げ、両方とも予想を上回った。2021年1-3月期の決算は、純利益が48億7700万ドル、売上高が145億8200万ドルでそれぞれ前年同期比45%増だった。特殊要因を除いた1株利益は0.93ドルで、市場の予想(0.77ドル程度)を上回った。
今後の株価見通し
新型コロナワクチンの売上高は34億6200万ドルにのぼり、売上高全体の24%を占めた。新型コロナワクチンでは、拠点拡充や同業他社との協業を通した生産能力拡大への取り組みも順調で、2021年の供給見通しは20億回分から25億回分に引き上げた。2022年には30億回分を供給できると予想している。更なる上値追いが期待できよう。
ニューモント(NEM)決算:一株利益は74セントで市場予想を下回る
企業概要
ニューモントは、金の生産高で世界最大級の鉱山会社である。2020年度の生産高は、金が590万オンス、および、副産物の販売が100万超金相当オンスであった。長期的には、4大陸に広がる鉱山ポートフォリオから年間650万ポンドから700万ポンドの金を生産し、オールイン操業維持コスト(AISC)を1オンスあたり800ドルから900ドルのレンジに下げることを目標としている。2020年度のAISCは、1オンスあたり1,045ドルであった。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比11%増の28.72億ドル(市場予想31.35億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・74セント(市場予想は80セント)
★純利益・・・前年同期比82%増の5.94億ドル(市場予想6.72億ドル)
2021年通期ガイダンス
★帰属ベースの金生産量・・・650万オンス
第1四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を下回った。
今後の株価見通し
ベアトレンドに入っている。67ドル超えから、投資タイミングを図ることになろう。
TモバイルUS(TMUS)決算:一株利益は74セントで市場予想を上回る
企業概要
TモバイルUSは、2013年にドイツテレコム傘下のTモバイルUSAと、プリペイド(料金先払い)通信サービスを専門とするMetroPCSの合併により誕生した。合併後、主要市場で全国的なサービスを提供していたが、普及には至るところで偏りが見られた。広範な普及に適した低周波数スペクトラムに積極的に投資し、地理的に事業ネットワークを大幅に拡大してきた。積極的なマーケティングと革新的なサービスが相まって、顧客基盤は急速に成長した。スプリントを買収したことで、現在の事業規模は競合他社とほぼ肩を並べるまで拡大した。ポストペイド(料金後払い)契約顧客数は、6,500万人、プリペイド(料金前払い)契約顧客数が2,100万人に上り、リテイル携帯電話市場で約30%のシェアを有する。また、America MovilsのTracFoneブランドなどを展開し、ホールセールサービスも提供している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・197.6億ドル(市場予想は189.2億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・74セント(市場予想は55セント)
2021年度ガイダンス
★EBITDA(調整後)・・・228-232億ドル
第1四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。決算発表日の場中では128.48ドルで引けているが、決算発表後の時間外取引では131ドル台で推移している(NY時間2021年5月4日午後7時時点)。
今後の株価見通し
AT&T、ベライゾン、同社の3社の株価チャートを比較すると、同社株価の上昇率は際立って高い。高い増益率見通しが背景にある。
合併実現によって、重複するコストの削減に加え、Tモバイルは次世代通信規格5G向けの周波数帯免許が得られる。5G関連の出世株となろう。更なる上値追いとなろう。
CVSヘルス (CVS)決算:一株利益は2.04ドルで市場予想を上回る
企業概要
CVSヘルスは、会員向けにより統合されたヘルスケアサービスを提供している。年間薬剤請求処理件数(調整後)20億件超の最大級の薬剤給付管理(PBM)と、主に米国の約10,000の薬局店舗を誇るドラッグストアチェーンとが統合された。約2,300万人の会員を擁するマネジド・ケア組織が追加されたことで、医療保険業界内でより強固な立場に立ち、顧客の総コストをより低く抑えることができる位置づけにある。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比3.5%増の690.97億ドル(市場予想は684.60億ドル)
★一株当たり利益(調整済み)・・・2.04ドル(市場予想は1.74ドル)
2021年度通期ガイダンス
★売上高・・・2792-2837億ドル(従来予想は2761-2806億ドル)
★一株当たりの利益(調整後)・・・7.56-7.68ドル(従来予想は7.39-7.55ドル、市場予想は7.52ドル)
第1四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。売上高は前年同期比4%増の690億9700万ドルと、市場予想(約683億6000万ドル)を上回った。純利益は11%増の22億2300万ドル。売上原価やコストの抑制が寄与した。特別項目を除く1株利益は2.04ドルと市場予想(1.73ドル)を上回った。
今後の株価見通し
調剤薬局ネットワークの誕生など、業界内の変化が生じており、ドラッグストア経由の処方箋薬販売の一部を食っている。株価は2015年半ばからベアトレンドとなっていたが、2020年に上抜いた。今回の決算を受け、更なる上値追いとなろう。
アクティビジョン・ブリザード(ATVI)決算:一株利益は84セントで市場予想を上回る
企業概要
アクティビジョン・ブリザードは、最大級のコンソール・ビデオ・ゲーム・パブリッシャーであるActivisionと、PCビデオ・ゲーム・パブリッシャーの大手の一社であるBlizzardとの合併によって2008年に設立された。合併後の新会社は、依然として世界最大手のビデオ・ゲーム・パブリッシャーの一社である。フランチャイズ・ポートフォリオには、80億ドルを超える累計売上高を誇るWorld of Warcraftと、12年間で14タイトルにわたって1億7,500万部超を販売したCall of Dutyが含まれる。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(1月-3月期)実績
★売上高・・・前年同期比21.5%増の20.7億ドル(市場予想は17.9億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・84セント(市場予想は71セント)
第2四半期ガイダンス
★売上高・・・18.5億ドル(市場予想は18.2億ドル)
★一株当たり利益・・・70セント(市場予想は77セント)
2021年度通期ガイダンス
★一株当たり利益・・・3.70ドル(市場予想は3.65ドル)
決算総括
第1四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。場中では88.69ドルで引けた同社株は引け後の時間外取引では、93ドル台で推移している(NY時間2021年5月4日後6時45分時点)。
今後の株価見通し
決算発表日は88.69ドルで引けたが、決算発表後の時間外取引では93ドル台で推移している。