どこの会社でも3月決算の会社であればそろそろ来期の予算をまとめている頃だと思います。収支を予測し、売り上げ目標を立てる。それに合わせて営業計画を立てる。といったことが部署単位で行なわれ、会社としてそれらをまとめていることでしょう。
弊社ももちろん渦中にあり、うんうんと悩む日が続いています・・・

さて収支の予測ですが、これがなかなか難しい。
新製品はどれくらい売れるのか、価格は妥当なのか、消費者のサイフのひもはどうなのか・・??季節商品を扱っている企業であれば冷夏や暖冬で大きく状況が変わります。
借り入れの多い企業であれば金利動向が大きく影響してきますし、グローバルに活動している企業であれば為替の値動きで大きく売上高がぶれてきます。コストについても固定費(人件費・家賃など)は想定しやすいのですが、原材料その他市場の動きで変わっていく流動性のものについてはやはり想定するのは難しいものです。

IT業界は以前からドッグイヤーと呼ばれるほど動きの早い業界ですが、最近はIT業界に限らず世の中の動きが早くなっています。その分「新しい」ものが新しく感じられる時間も短く、1年先はどれだけ世の中が変わっているのかを予測するのが難しくなります。

もう、のっけから「難しい」の連発ですが・・・・(決してメルマガを使って言い訳をしているわけではありません!) だからといって「なるようになれ」では会社は回っていきません。ブレの幅も想定した上で収支を考え、無駄を省き、利益を生み出す方法を考えていきます。1年間、最初に立てた予想通りに行くことは難しく、当然四半期毎など折り目、折り目に修正予算を立てていきます。

今日は読者の皆さまに会社の予算決めの苦労話をお話するのがテーマではありません。株式投資をされる際など、決算書などを元に企業分析をされると思いますが、企業分析の極意のお話でもありません。ここでは「予算」を「会社」から「家計」に置き換えて考えることを提案したいのです。

「家計」も入ってくるお金と出て行くお金を上手にコントロールすることが求められます。なおかつ、さまざまなイベントや予定を予定通り、希望通りこなしながら、利益(貯蓄・投資結果)を殖やし、長い年月をかけて規模(資産)を大きくしていきたいものです。

家計においては、年間予算を考えることはもちろん大切ですが、できればもっと先まで(少なくとも10年計画くらいは)考えておきたいものです。
そんな先の予定を立てるのは「難しい!」と思われる方も多いかと思います。そして確かに難しいのは事実ですが、会社の予算同様、「なるようになれ」では困るのは自分自身なのです。

家計においても、「固定費」は大体予測できるものです。
常日頃かかっている基礎生活費(水道・光熱費・食費・家賃または住宅ローンなど)は把握しておくようにしましょう。それを元に、家族の人数や子供の成長に応じて多少の増減を見込むことはそれほど難しくないでしょう。
また、教育費もわかりやすいものの一つです。少なくとも年間の教育費は学校費や塾・お稽古事費用もどのくらいかかるのかは目安がつくことでしょう。あとは子供の成長にあわせて、中学入学、高校入学・・・と時期が明確にわかりますから、公立なのか私立なのかなど予算を考えておくことが大切です。授業料だけではなく、入学金、制服代、修学旅行費などその他諸経費がかかりますので注意してください。

目的や希望、目標など個々人の事情に応じて流動的なコストがかかってきます。こちらも見積もっておかないと、お金が足りなくて目標が実現できなかった、などということになりかねません。

また、入ってくるお金を予測するのも難しいものです。サラリーマンも順当に右肩上がりする時代ではなくなりましたし、世の中の景気にボーナスも左右されます。独立している方であれば、なお世の中の動きに影響される部分は大きいかと思います。
入ってくるものは「堅め」の予測をたてておくことが鉄則です。(出ていくお金は多めに見積もっておきましょう。)

会社の予算同様(いえ、それ以上に)、個人の家計は思った通りにはいかないものです。こちらも都度、都度の修正予算、つまりプランニングの見直しをすることが大切です。
一度プランを立てると安心してしまったり、プラン通りにいくように無理をしたりするのでは困ります。現実をちゃんと捉えた上で、修正を入れていく、修正した上で生活設計が破綻しないかをその都度確認するようにしていきましょう。

1年の計は元旦にありとはいいますが、家計のプランニングは思い立ったときにしなければなかなか手がつけられないものです。今年の元旦に何も計画しなかった方、もう2月だから・・・来年の元旦には・・・・などと悠長なことは考えずにぜひすぐに取り掛かってくさいね。計画も投資も早めに行なう方が効果大です!