先週の土曜日3月31日にマネー検定を行いました。午前中にテスト、午後に基調講演、パネルディスカッションと1日がかりのイベントとなりました。最後まで熱心に参加されていた方が多く、主催者である日経マネーさんともども大変うれしく思いました。

テストについては日経マネー誌次号の誌面に詳細が掲載されますが、1時間で50問、選択式です。設問も幅広く、計算問題、時事問題もあるため、少々難しいかな・・・と思っていたのですが、最高90点、平均59.8点と試験としてはなかなか理想的な結果が得られました。
「難しかった」「時間が足りなかった」など直接声をかけてくださる方もいて、今後に生かしていきたいと思っています。
基調講演は「魅力度増す日本株式」と題したドイツ証券の武者陵司氏によるものでした。
武者さんは講演前も講演内でもおっしゃっていましたが、これまでは日本株式に対してかなり懐疑的かつ、慎重な見方をされていましたが、ここにきて大転換し、かなり強気になられたとのこと。

通常のセオリーでは語りきれない現象が起きつつあり、それが定着する方向にある、そのベースとなっているのが「企業の利潤率の上昇」と「利子率の低下」で、本来同方向に推移することの多いこの二つの乖離により、株式投資にはまたとない好機となっているということなのです。

こういった話を聞いて「え、そんな楽観的なことはないでしょう」という反応をする人が多いうちはまだまだ強気で良いそうです。皆が「そうだ。強気でいいのだ!」となってしまうとバブル時もそうですが、大衆の勢いで過熱してしまうこともありますが、今はまだそういう時期ではないとのことでした。アメリカ経済のソフトランディングやBRICSについても強気の見方をされていました。

パネルディスカッションもかなり白熱したものとなり、時間が超過しても受講していた方々は皆とても熱心に満足そうに聴いていらっしゃいました。パネラーはさわかみ投信代表の澤上篤人氏、FPの深野康彦氏、弊社社長の内藤忍といずれ劣らぬ業界での論客揃い。白熱するわけです。共通しているのは、短期の投機ではなく、長期で資産形成していくことを勧めていること。(それぞれもご自身の資産で実践。)「かっこよくお金を使おう!」とお金を殖やすだけではなく、いかに有意義に使えるかというところにまで話は及びました。
基調講演もパネルディスカッションもいずれも前向きな内容で、けっして煽ることなく、個人投資家の背中を押してくれるような雰囲気になりました。このように話す方も聴く方も、けっしてガツガツと焦りはせず、でも前向きに市場と向き合っていこうという空気になることは開催側としてはもちろん、投資教育に携わる者として大変うれしく感じました。

何度も触れていることですが、市場は生き物で、その中身は「人」の部分も大きいです。市場が勝手に動き回るのではなく、当然のことながら、景気や金利情勢、政治情勢も反映しますが、それらを操つるのも(金融政策や政治)「人」、分析するのも「人」、市場に参加しているのは機関投資家であっても、個人であっても判断するのは「人」です。人々の思惑であったり、気持ちも市場を形成している大きな要因といえるのです。

市場に参加している人が、利益を貪るようなタイプが多ければ、市場は急上昇、急落をといった変動の激しいものとなるように思います。長期的な視野にたった個人投資家が増えればそれだけ市場は裾野も広がるし、地盤もしっかりとしてくるでしょう。

こうしたマネー検定といった機会を通じて、投機的ではなくお金の広い知識を身につけた投資家が増えていってくれるといいな、と思います。