東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに大幅反発となりました。日経平均は372円高の28,880円で寄り付くと取引開始から20分弱で292円高の28,800円まで上げ幅をやや縮めましたが、10時頃から一段高になると11時20分過ぎに601円高の29,110円まで上昇し591円高で前場を終えました。594円高の29,103円でスタートした後場の日経平均は大きく押すことなく堅調に推移すると引けにかけて上げ幅を広げ引け間際に683円高の29,192円まで上昇し結局679円高の29,188円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇しています。
2.個別銘柄等
オランダの半導体製造装置大手のASMLホールディング(ASML)の好決算を受けて昨日の米国市場でアプライドマテリアルズ(AMAT)やラムリサーチ(LRCX)が大幅高となった流れを受けて日本市場でも半導体製造装置株が買われました。東京エレクトロン(8035)が4.6%高、レーザーテック(6920)が6.8%高、SCREENホールディングス(7735)が4.1%高、アドバンテスト(6857)が4.2%高、ディスコ(6146)が3.7%高となり、レーザーテックは上場来高値を更新しています。西松屋チェーン(7545)も一時3.9%高となりました。来店客数が大きく伸びたことで4月の既存店売上高が前年比14.0%増となり4カ月ぶりにプラスとなったことで買いを集めました。また、国内大手証券が目標株価を引き上げたことで日本郵船(9101)と商船三井(9104)が揃って3.8%高となりました。川崎汽船(9107)にも買いが波及し大幅高となりました。5.5%上昇し年初来高値を更新しています。
一方でコロプラ(3668)が6.8%安となり年初来安値を更新しました。任天堂(7974)が特許権を侵害されたとして、コロプラのスマホ向けゲーム「白猫プロジェクト」の提供差し止めと賠償を求めている問題で、任天堂が損害賠償の請求額を大幅に引き上げたと発表したことで売りがかさみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は679円高となりました。昨日の米国株高に加えて2日間で1,200円近くも下げた反動もあり上げ幅を大きく広げましたが、一昨日に割り込んだ75日移動平均線(29,144円)を回復したことから下値への警戒感も一旦後退しそうです。なお、本日は引け後に日本電産(6594)やディスコ(6146)が決算を発表する予定ですが、9日に好決算を発表して翌日に急落した安川電機(6506)の例があるだけに決算発表を受けての明日の株価の反応が注目されます。
また、日本時間の20時45分には欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表されるほか、21時30分には米新規失業保険申請件数が、そして23時には3月の米景気先行指標総合指数や3月の米中古住宅販売件数が発表される予定です。さらに22日の米国ではインテル(INTC)やAT&T(T)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)