先週リスク・ヘッジに最も有効であるのが分散投資である、というお話をしました。
その分散投資ですが、大きく分けると次の3つの種類があります。
(1) 商品の分散 +通貨の分散
(2) 時間の分散
(3) 時期の分散
(1)の商品の分散は、一番イメージしやすいと思いますが、値動きの異なる商品に分散して運用することでリスクを小さくする、というものです。例えば株式の場合、一つの銘柄で運用すれば大きな値動きが予想されますが、値動きの異なる株式(異業種)を複数組み合わせれば合計の値動きを小さくすることができます。また一般に債券市場と株式市場は異なる値動きをすることが多いので、同時に保有することでヘッジ機能があるといえます。株式と債券は分散投資の組み合わせの代表選手です。
外貨建てで運用することは円建てで運用している資産に対してのヘッジ効果があります。外貨投資は「投機」と考える方もいらっしゃいますが、長期的に考えれば、円資産運用のヘッジ、保険という見方もできます。日本人で日本国内に居住していれば資産を日本円だけで持っていることは不自然ではありませんが、日本が多くのモノを貿易に依存し、日本経済も世界経済の影響を直接的に受けていることを考えると、大切な資産を一つの通貨(円)に集中させることは、リスクが大きいといえますよね。ぜひ「通貨の分散」(=国際分散)も分散投資の重要なの方法の一つであるという認識を持つようにしましょう!
さて(2)の時間の分散ですが、これは「長期運用の効果」を意味しています。長期に運用することで株式などではリターンが安定的になり、リスクを抑えることができることが過去のデータによって立証されています。(未来を約束するものではありませんが・・・)とはいえ手持ち資産を全て長期投資することは不可能です。短期投資、中長期投資、長期投資と資産の運用する時間を分散し、運用期間が長くとれる資産ほどリスクの高い商品に投資する、という方法をとると良いでしょう。
最後に(3)の時期の分散です。「ドル・コスト平均法」という言葉はすでにお馴染みかもしれません。価格変動する商品に投資する時、安く買って高く売れれば良いのですが、それができれば皆大金持ちですよね。そこで一度にまとめて購入しないで、継続的に一定額ずつ購入していきます。それによって平均購入金額を低く押さえることができる、つまり値下がりの影響を小さくすることができるのです。これが「ドル・コスト平均法」です。運用する時は一度にどんと投資するのではなく、少しずつコツコツと投資していくことで、リスク・ヘッジもできているのです。
以上のように分散投資をすることによってその商品のもつリスクを軽減することが可能です。どの分散を行うにも勉強して、自分自身でキチンと理解した上で行うことがポイントになりますが、自分の資産を守り、増やしていくためには努力しなければならないということです。リスクを怖がらず、コントロールできるように挑戦していきましょう!