いよいよサッカーW杯が始まりました。これから1ヶ月ほど、寝不足な日々を送る方も多いかもしれませんね。日本代表の活躍を大いに期待しております!
今回のW杯の開催国はご存知ドイツです。世界中からドイツにサポーターやマスコミが押しかけていますし、注目を集めていることは間違いありません。 さて、ドイツの通貨はユーロです。この間ユーロが相当強くなるのでは・・・と期待された向きも多いかもしれませんが、このところのドル円の派手な動きに比べると比較的安定的で、ここにきて大幅に上昇してきているというほどのものではありません。
もちろん今回のW杯ではドイツにおける経済効果は大きなもの(ドイツ経済技術相が30億ユーロとの見通しを発表)と期待されていますが、こちらは既に為替レートには織り込み済みということでしょう。

オリンピックやW杯といった世界が注目する大きな大会の開催国の通貨は、その期間の人の流れに合わせて強くなることが多いものですが、1999年に誕生した「ユーロ」 (実際に通貨として流通が始まったのは2002年から)に関しては少々状況が違うようです。

余談ですが、以前は「有事のドル買い」と言われて、テロや戦争など世界のどこかで不穏な出来事が起こると米ドルが買われて強くなったものですが、こちらも最近ではアメリカが当事国であることが多く、イラク情勢が悪化すればドルが売られるといった具合にこちらも変わって来ています。

さて、ユーロですが、この通貨は単一国家の通貨ではなく、欧州連合25カ国中12カ国が公式に採用しているものです。世界を代表する一大経済圏でありながら、経済状況の異なる多数の国をまたいで使用されています。本来為替レート(変動相場制であれば)は国の経済状況等を反映するはずのものですが、多数の国の通貨であるユーロは一元的な見方がしにくいといえます。

W杯にともない、ドイツに多くの人が集まっているのは事実ですが、同通貨圏、つまりフランスやイタリアなどから来る人はユーロを改めて購入する必要はありませんから、「現金」需要はユーロ圏外からの人に限られます。
実は為替相場において短期的には「現金」需要は意外と大きな影響をもつものです。
たとえばフィリピンでは12月になると、世界中の出稼ぎ労働者が自国にクリスマスのための送金をするためにフィリピン通貨(ペソ)高になりやすいのです。
結局のところ、ユーロという通貨は運用対象としてはどうなのでしょう? ユーロ圏は今後景気回復をしていくことを期待されているエリアではありますが、現時点では金利水準はあまり魅力的とはいえず、ユーロ円の為替レートもユーロ開始以来の高値圏にあります。
ユーロ圏内の一国におけるイベントの影響などによるユーロ高を期待するのは難しいと思われますから、買うことで短期的に為替差益を狙ったり、現時点で金利差を稼ぐことを目的とするのであればあまり適しているとは言えません。
それではユーロは保有する魅力はないのでしょうか??
繰り返しになりますが、ユーロは一大経済圏を代表する世界の主要通貨の一つです。分散投資は種類が多いほど有効であり、それは通貨の分散でも同じです。通貨自体に流動性が少なく、ブレの大きいものは保有することが大きなリスクとなりえますが、ユーロの場合ドル、円と一緒に保有することで互いにヘッジ効果を得られます。
つまりユーロなどは「資産の保全効果」のためにも、保有資産の中に組み入れていくとよいのではないかと思います。
保有の方法としては、前述の通り現在のユーロ圏は今後景気回復をして金利上昇を期待できる状況にありますから、今の金利水準に固定せず流動性をもたせ、為替レートも魅力的とは言いがたいので、まとめ買いをせず積み立てなどを利用して、少しずつ資産の中でユーロの比率を高めていくとよいでしょう。
私も多くはありませんがユーロを保有しています。ユーロが導入されるときは、値動きのイメージができず様子見をしていました。導入直後はユーロ安となり、反転してユーロが上昇を始めてもなかなか買えずにいました。120円代に入ってから、その時点では割高に感じながらも買い始めたのですが、今は140円代です。ドル円と違って歴史が短いため、割高、割安の判断は難しいですが、いつまでも様子を見ているだけでは運用は始められません。まずは「はじめの一歩」が大切です。