「団塊の世代」の方々があと数年のうちに定年退職を迎えられます。これは社会的に見ても大変大きな動きです。今、どの業界もこの「団塊の世代」の定年後を狙った商品開発やキャンペーンで盛り上がっているのが見受けられます。
「団塊の世代」の方々に対する私個人のイメージは、非常にアクティブで、様々なことに興味をもたれており、仲間や友人とのつながりを大切にしている、というものです。
定年を迎えるといっても、それは第二の人生のスタートであり、思う存分に楽しもうとされている方が多いのではないでしょうか。

この世代の方は人生の楽しみ方が上手だから・・・?それかもしれません。戦後のベビーブーム期に生まれ、戦争は知らず、成長と共に日本が力強く立ち直っていく様を見て、高度経済成長期の日本中が沸き立つ中で企業戦士として中心になって支えていらしたのです。若い頃からずっと「右肩上がり」の時代を歩んできているだけに、何事にも前向きな方も多いのではないでしょうか。
ただ、それだけではないと思うのです。団塊の世代の方々は年功序列、終身雇用という守られた中でお仕事をされてきました。バブル期も大いに懐が潤った方も多くいらっしゃいます。ただしバブル崩壊後、その痛手を受けられた方、思いもかけないリストラと向き合った方も少なくはないとは思いますが、上手く切り抜けていらっしゃる方も多いのです。不動産バブルを迎える前に住宅購入された方も多いと思います
また退職金も企業年金もその下の世代に比べると格段と有利な条件で約束されています。公的年金も全額ではなくとも、少なくとも60歳から受け取れます。
「失われた10年」の中、就職氷河期、雇用の流動化、右肩上がりの給与の崩壊、公的年金のゆらぎといった現実と向き合っている20〜30代の方に比べると、全体としては豊かさに身をおかれた経験のある方が多いともいえるのではないでしょうか。
それだけに、経済的に趣味を楽しむゆとりがある方が多いと言えます。
少子高齢化が進む中、この方々は確実にシニア世代の主役となっていかれます。しかも楽しみ方を知り、経済的にゆとりもあるわけですから、そこをターゲットに各業界が躍起になるわけですね。

さて長々と団塊の世代の方について語ってきましたが、この世代の多くの方にとって苦手なものの一つが「投資」ではないかと思うのです。
日本の景気が上向きなときに働き盛りとして駆け上っていらしたのですが、この時代、金利が高く、金融機関は護送船団で決してつぶれず、つまりお金は預貯金にしておけば確実に増えてくれました。給与は右肩上がりで、退職後も年金があることを約束されていれば、何もしなくて困らなかったわけです。 投資というのは興味のある人かお金持ち以外は考えなくても良かったのです。
ところがバブル崩壊以後、日本はすっかりと変わりました。バブル崩壊時に大ヤケドを負った方も、難を逃れた方も、金利がゼロ、ほっておくとお金は全く増えない時代を経験することになってしまったのです。

団塊の世代の方も下の世代よりは豊かとはいえ、これから先収入が減った後はただただ持っている資産を食い潰すことになりかねません。
大きく財産を増やす必要はなくても、「減らさない」ようにする方法、投資について正面から向き合っていく必要があるということです。

投資というのは勉強しなければ、なかなか上手くなりません。投資のつもりで、投機に走ってしまうことも、ままあります。日本は学校で投資を教えるということはありませんでしたから、ずっと勉強する機会がなかった方も多いと思います。

これは団塊の世代の方々に限らずに言えることですが、投資を学ぶのに早すぎることも、遅すぎることもありません。
団塊の世代の方は定年後の楽しみの一つに、定年前の準備として、「投資を学ぶ」ことを加えられると、より豊かな第二の人生になるのではないでしょうか。
そしてもちろん、それより下の世代の方は、より切実に「自分で何とかしなければ」第二の人生を楽しく過ごすことは難しくなります。なるべく早めに「投資を学び」実践していくことをオススメしたいと思います!