【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,072.88 △453.40 (3/26)
NASDAQ: 13,138.73 △161.05 (3/26)
1.概況
先週末の米国市場は新型コロナウイルスのワクチン普及への期待が続き続伸となり、ダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新しました。61ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに270ドル高程度まで上昇した後一旦伸び悩みましたが、大きく押すことなく堅調に推移すると引けにかけて一段高となり結局453ドル高の33,072ドルで取引を終え17日に付けた史上最高値(33,015ドル)を更新しています。また、S&P500株価指数も65ポイント高の3,974ポイントとなりこちらも17日に付けた史上最高値(3,974ポイント)をわずかに上回っています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も161ポイント高の13,138ポイントとなっています。
2.経済指標等
2月の個人消費支出(PCE)は前月比1.0%減となり市場予想を下回りました。一方で米個人所得は前月比7.1%減となったものの市場予想を上回っています。また、3月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は84.9と速報値から上方修正され市場予想も上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスを除く10業種が上げました。そのなかでもエネルギーと情報技術、素材、不動産が2%を超える上昇となったほか、ヘルスケアも2%近く上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。そのなかでもインテル(INTC)とシスコシステムズ(CSCO)が4%以上上げたほか、ナイキ(NKE)も3%を超える上昇となりました。また、アムジェン(AMGN)とビザ(V)、IBM(IBM)、キャタピラー(CAT)、シェブロン(CVX)、ホーム・デポ(HD)、ハネウェル・インターナショナル(HON)も2%を上回る上昇となっています。一方でゴールドマン・サックス(GS)とボーイング(BA)、ウォルト・ディズニー(DIS)の3銘柄が下げ、ゴールドマン・サックスとボーイングは1%近く下落しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、米連邦準備理事会(FRB)が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて大手銀行に課していた株主還元制限を6月末で解除すると発表したことでバンク・オブ・アメリカ(BAC)が3%近く上げたうえ、シティーグループ(C)も2%近く上昇しました。さらに半導体株が高くマイクロン・テクノロジー(MU)とクアルコム(QCOM)が4%以上上げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.04%高い1.67%となりました。ドル円は円安が進み109円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は25日移動平均線(先週末時点で29,409円)や節目の29,500円を回復しそうですが、3月末決算銘柄の権利付き最終売買日となることから配当取りの買いに加え、引けにかけて配当の再投資に絡む先物買いがみられるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)