東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて4日続落となりました。日経平均は230円安の28,765円で寄り付くと直後に128円安の28,867円まで持ち直しましたが、上値は重く下げ幅を広げると10時40分過ぎごろから一段安となり11時20分過ぎに556円安の28,438円まで下落し530円安で前場を終えました。487円安の28,508円でスタートした後場の日経平均は12時50分過ぎに385円安の28,610円まで戻しましたが、買いが続かず再び下げ幅を広げると14時20分過ぎに616円安の28,379円まで下落し結局590円安の28,405円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、東証マザーズ指数は3.2%安となっています。

2.個別銘柄等

半導体製造装置関連銘柄の一角が大幅高となりました。米半導体大手のインテル(INTC)が200億ドルを投じアリゾナ州に新たに2つの工場を建設すると発表したことで製造装置への需要が増えるとの期待が高まりました。東京エレクトロン(8035)が5.1%高となったほか、レーザーテック(6920)が7.5%高、露光装置のニコン(7731)も6.4%高となりました。いすゞ(7202)も後場に上げ幅を広げ5.4%高となりました。トヨタ(7203)といすゞ、日野自動車の3社が本日の15時から共同記者会見を開催すると発表したことで提携などがあるのではとの思惑を呼びました。一方で日野自動車(7205)は1.0%安となりました。一時6.3%高まで上昇する場面がありましたが買いが続かず引けにかけて下落に転じました。トヨタも2.2%安となっています。また、欧州での新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されるなか昨日の米国市場で空運株が大きく下げた流れを受けて日本航空(9201)とANAホールディングス(9202)が本日も大幅安となりました。日本航空が7.8%安、ANAホールディングスが7.2%安となっています。海運大手3社も大きく下げました。大型のコンテナ船が立ち往生してスエズ運河が通航不能になっていると伝わったことが嫌気され、日本郵船(9101)が5.1%安、商船三井(9104)が4.6%安、川崎汽船(9107)が5.1%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は590円安となりました。昨日の米国市場が欧州で新型コロナウイルスの感染が再拡大していることで世界経済の正常化が遅れるとの懸念が出て反落となったことから売りが優勢となりました。こうしたなかで下げ幅を広げる展開となりネックラインである3月8日の終値(28,743円)を割り込んだことで、2月16日の終値(30,467円)を一番天井、3月18日の終値(30,216円)を二番天井とするダブルトップが完成してしまいました。そのうえ一目均衡表の雲の下限(28,520円)を下回ったこともあって下値模索への警戒感が一段と高まりそうです。なお、今晩もパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の米上院での議会証言が予定されているほか、2月の米耐久財受注額や3月の米製造業PMI速報値の発表も予定されています。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )