【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,778.64 △293.05 ( 3/12 )
NASDAQ: 13,319.87 ▼78.81 ( 3/12 )
1.概況
先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及による景気回復期待から景気敏感株に買いが入りダウ平均とS&P500株価指数は続伸し史上最高値を更新しましたが、長期金利上昇を受けてハイテク株に売りが出てナスダック総合株価指数は反落となりました。
ダウ平均は23ドル安と下落してスタートしましたが、直ぐにプラスに転じるとまもなくして190ドル高程度まで上げ幅を広げました。その後一旦上値が伸び悩みましたが大きく押すことなく堅調に推移すると引けにかけて上げ幅を広げ結局293ドル高の32,778ドルと6日続伸となり3日連続で史上最高値を更新して取引を終えています。
また、S&P500株価指数も4ポイント高の3,943ポイントと4日続伸となり前日に続いて史上最高値を更新しています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は78ポイント安の13,319ポイントと反落となっています。
2.経済指標等
2月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.5%上昇し市場予想と一致しました。また、3月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は83.0と前月から上昇し市場予想も上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、不動産と資本財・サービス、公益事業、金融が1%以上上昇しました。一方でコミュニケーション・サービスと情報技術の2業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では航空機リースを手掛ける投資会社から737MAXを24機受注したと発表したボーイング(BA)が7%近く上げダウ平均を1銘柄で120ドル余り押し上げたほか、キャタピラー(CAT)も4%を超える上昇となりました。また、ワクチン接種業務の拡大が収益増につながるとしてウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も3%を上回る上昇となっています。
一方でハイテク株に売りが出るなかセールスフォース・ドットコム(CRM)が2%近く下げ、アップル(AAPL)やインテル(INTC)、マイクロソフト(MSFT)も軟調となりました。ダウ平均構成銘柄以外では、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とフェイスブック(FB)が2%以上下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.08%高い1.62%となりました。こうしたなかドル円では円安が進み109円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は先週末の米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか大幅高となった後で利益確定の売りが出やすいこともあって日経平均が堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。また、本日は日本時間の11時に中国で鉱工業生産や小売売上高など経済指標が数多く発表される予定で注目されます。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)