【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,485.59  △188.57 (3/11)
NASDAQ: 13,398.67  △329.84 (3/11)

1.概況

米国市場は追加の経済対策が成立したことを好感した買いや、長期金利が落ち着いた動きとなっていることでハイテク株が買われたことで上昇し、ダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新しました。ダウ平均は57ドル高でスタートすると昼過ぎに364ドル高まで上昇した後引けにかけて上げ幅を縮めましたが、結局188ドル高の32,485ドルで取引を終え5日続伸となり前日に続いて史上最高値を更新しています。また、S&P500株価指数も40ポイント高の3,939ポイントと3日続伸となり2月12日に付けた史上最高値(3,934ポイント)を更新しました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も329ポイント高の13,398ポイントと反発し2%を超える上昇となっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比4万2000件減の71万2000件となり市場予想を上回る改善となりました。また、欧州中央銀行(ECB)理事会では政策金利が据え置きとなりましたが、今後3ヶ月間の資産購入をこれまでよりかなり速いペースで実施すると決めています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、情報技術が2%を超える上昇となったほか、コミュニケーション・サービスと一般消費財・サービス、不動産も1%以上上げています。一方で金融と公益事業、生活必需品の3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ハイテク株に買いが入るなか電気自動車のテスラ(TSLA)が5%近く上げたほか、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とフェイスブック(FB)、動画配信のネットフリックス(NFLX)も3%以上上げました。マイクロソフト(MSFT)も2%高となり、アマゾン・ドット・コム(AMZN)とインテル(INTC)も2%近く上げています。半導体株も高くアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とマイクロン・テクノロジー(MU)、エヌビディア(NVDA)が4%以上上昇し、クアルコム(QCOM)も3%高となっています。また、ボーイング(BA)がサウスウエスト航空(LUV)から数十億ドル規模の注文を受ける見通しと伝わったことで3%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。さらにソフトバンクグループ(9984)傘下のソフトバンク・ビジョン・ファンドが発行済み株式の3分の1を保有す韓国のネット通販最大手のクーパン(CPNG)がニューヨーク証券取引所に上場し公開価格を81%余り上回る初値を付けました。引けは公開価格を40%余り上回る水準となっています。

一方でゼネラル・エレクトリック(GE)が投資判断の引き下げ受けて7%以上下げました。オラクル(ORCL)も利益の見通しが市場予想を下回ったことで6%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い1.54%となりました。ドル円は108円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすことができるかがポイントとなりそうです。また、本日は3ヶ月に一度のメジャーSQです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)