【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 30,924.14  ▼345.95 (3/4)
NASDAQ: 12,723.47  ▼274.28 (3/4)

1.概況

米国市場はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が公開インタビューで金利上昇に関して具体的な抑制策に言及しなかったことで長期金利が上昇したことからハイテク株中心に売りが出て大幅続落となりました。18ドル高でスタートしたダウ平均は朝方にマイナスとなる場面もありましたが、下げ渋ると昼過ぎには191ドル高まで上昇しました。しかし、パウエルFRB議長の発言を受けて売りが優勢となり下げ幅を大きく広げると一時は722ドル安まで下落しました。その後引けにかけて持ち直したダウ平均ですが結局345ドル安の30,924ドルで取引を終え3日続落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も274ポイント安の12,723ポイントとこちらも3日続落となり2%余りの下落となっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比9000件増の74万5000件となりましたが市場予想ほど悪化しませんでした。また、2020年10-12月期の米労働生産性指数改定値は前期比4.2%低下と速報値から上方修正され市場予想を上回りました。1月の米製造業受注も前月比2.6%増となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、情報技術と素材、一般消費財・サービスが2%を超える下落となりました。一方でエネルギーとコミュニケーション・サービスの2業種が上げ、エネルギーは2%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はシェブロン(CVX)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、アメリカン・エキスプレス(AXP)を除く27銘柄が下げました。そのなかでもインテル(INTC)が2%を超える下げとなり下落率トップとなったほか、ホーム・デポ(HD)とウォルト・ディズニー(DIS)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も2%以上下げ、ハネウェル・インターナショナル(HON)も2%近く下げました。

ダウ平均構成銘柄以外では、ハイテク株に売りがでるなか半導体株が安くマイクロン・テクノロジー(MU)が5%以上下げ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も4%近く下落しました、エヌビディア(NVDA)も3%以上下げ、クアルコム(QCOM)も3%近く下落しています。また、電気自動車のテスラ(TSLA)が5%近く下げ、動画配信のネットフリックス(NFLX)も2%近く下げています。一方で食品スーバー大手のクローガー(KR)が決算で1株利益が市場予想を上回ったことなどで2%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.08%高い1.56%となりました。ドル円は米長期金利の上昇を受けて円安に振れ108円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場は大幅続落となったものの昨日の日本市場が米国市場の下落を見込んで大きく下げ幅を広げたことから本日は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか昨日に日経平均が600円以上下げたこともあって自立反発狙いの買いがみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)