【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 30,932.37 ▼469.64 (2/26)
NASDAQ: 13,192.35 △72.91 (2/26)
1.概況
先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は景気敏感株や金融株、ディフェンシブ株など幅広い銘柄に売りが出て続落となりましたが、ナスダック総合株価指数は長期金利の上昇一服を受けてハイテク株に買い戻しが入り反発となりました。ほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は下げ幅を広げるとまもなくして490ドル安まで下落しましたが、切り返すと昼過ぎには80ドル安程度まで持ち直しました。しかし、その後再び下げ幅を広げると結局469ドル安の30,932ドルで取引を終えています。
また、S&P500株価指数も18ポイント安の3,811ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は72ポイント高の13,192ポイントとなりました。
2.経済指標等
2月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は59.5と前月から低下し市場予想も下回りました。1月の米個人消費支出(PCE)も前月比2.4%増に止まり市場予想を下回りました。一方で米個人所得は前月比10.0%増となり市場予想を上回りました。2月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も76.8と速報値から上方修正され市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、エネルギーが2%を超える下落となったほか、金融と公益事業、不動産も2%近く下げています。一方で情報技術と一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービスの3業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が下げました。そのなかでも決算で通期の1株利益の見通しが市場予想を下回ったセールスフォース・ドットコム(CRM)が6%を超える下落となったほか、ダウ(DOW)も3%を上回る下げとなりました。また、IBM(IBM)やメルク(MRK)、キャタピラー(CAT)、JPモルガン・チェース(JPM)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、ゴールドマン・サックス(GS)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、コカ・コーラ(KO)、シェブロン(CVX)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、スリーエム(MMM)、ボーイング(BA)も2%を超える下落となっています。一方でハイテク株に買い戻しが入るなかマイクロソフト(MSFT)が1%以上上げ、インテル(INTC)とアップル(AAPL)も小幅に上昇しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、半導体株が高くマイクロン・テクノロジー(MU)が4%近く上昇し、エヌビディア(NVDA)も3%余り上げました。さらにアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も2%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.11%低い1.41%となりました。ドル円は106円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
先週末の米国市場でハイテク株に買い戻しが入りナスダック総合株価指数が反発するなか日本市場は先週末に大幅安となった反動もあり上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(先週末時点で29,180円)を引けで上回ることができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)