【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 31,522.75 △64.35 (2/16)
NASDAQ: 14,047.50 ▼47.98 (2/16)
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は追加の米経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及への期待から続伸となり史上最高値を更新しましたが、金利上昇を受けてハイテク株の一角が売られたことでS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落となりました。ダウ平均は13ドル高でスタートするとまもなくして150ドル高まで上昇しましたが、上げ幅を縮めると昼過ぎにマイナスに転じました。しかし、14ドル安で下げ渋り持ち直すとその後は小幅高で推移し結局64ドル高の31,522ドルで取引を終え先週末に続いて史上最高値を更新しています。一方でS&P500株価指数が2ポイント安の3,932ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も47ポイント安の14,047ポイントとなっています。
2.経済指標等
2月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数は12.1と前月から大きく上昇し市場予想も上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、公益事業と不動産、ヘルスケアが1%以上下落しました。一方で3業種が上げ、エネルギーが2%を超える上昇となり、金融も2%近く上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではセールスフォース・ドットコム(CRM)が3%を超える上昇となったほか、ボーイング(BA)も3%近く上げました。また、長期金利の上昇を受けてJPモルガン・チェース(JPM)も2%以上上げ、追加経済対策でのインフラ投資拡大期待からキャタピラー(CAT)も2%を上回る上昇となり上場来高値を更新しています。原油高を受けてシェブロン(CVX)も2%高となっています。一方でウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が2%を超える下落となり、アムジェン(AMGN)も2%近く下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、暗号資産のビットコインが初めて5万ドル台を付けたことで決済サービスのペイパル・ホールディングス(PYPL)が2%以上上げました。さらに新型コロナウイルスのワクチン普及への期待からクルーズ船のカーニバル(CCL)とロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)が9%以上上げています。空運株も高くユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が4%高となり、アメリカン航空グループ(AAL)とデルタ航空(DAL)も3%以上上げています。ドラッグストア大手のCVSヘルス(CVS)は通期の1株利益の見通しが市場予想を下回ったことで売られ5%近く下げました。
5.為替・金利等
長期金利は米ニューヨーク連銀製造業景況指数が大きく上昇したことで0.10%高い1.31%となりました。ドル円は金利上昇を受けて円安が進み106円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。高値警戒感から利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が昨日までの堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)