米ドル/円 

週間予想レンジ:105.00~107.00

メインストラテジー:押し目買い

・切り返しの途中
・規則的な値動き
・新たな段階入り

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

米ドル/円相場は先週反落し、一旦スピード調整を果たした。104円前半の打診は、基本的には許容範囲内での出来事で、スピード調整の一環でありサプライズではなかった。従って、メイントレンドとしての「米ドル高・円安」は継続され、先週のスピード調整を経て、より健全化される公算である。

年明けから切り返しが継続しており、流れとして受動的な円安の方向に振れやすく、先々週の続伸で一段とその流れが鮮明化されたため、早晩新たな上昇の段階に入るだろう。

繰り返し指摘してきた通り、テクニカルの視点において年初の底打ちがもっとも重要であった。先週の反落をスピード調整と位置づける理由もそこにある。1月第1週の大陽線が効いていること、また同サインの延長線にあることが証左され、目先なお途中であることが有力視される。

同週の足型、典型的な「強気リバーサル&アウトサイド」のサインを点灯した上に、2020年3月高値から形成されてきた「下落ウェッジ」の下限を一旦トライし、その後反騰したことで底打ちを示し、また同フォーメーションの上限(元抵抗ライン)の上放れをもたらしたため、切り返し自体の正当化につながる。

もっとも、先週の値動きは、あくまで年初来のパフォーマンスの一環だったので、直近のサインを総合的に捉えるべきだ。この意味において、先々週のサインを軽視できない。先々週の続伸、また2020年11月高値の一旦ブレイクをもって新たな強気サインを点灯したことは既述の通りであり、基調を決定したと言える。

要するに、日足における1月14日~19日に形成された「インサイド」のサインについては、1月20日に一旦下放れしたものの、継続的な下値打診が回避され、先々週の高値打診をもって同下放れが「ダマシ」であったことを証左し、一転して強気サインと解釈される。そのため、しばらく切り返しの継続を有力視し、先週の反落があっても、あくまでスピード調整とみなせるわけだ。

すなわち、2020年11月高値のブレイクをもって前記「ダマシ」を証左した上、同年3月高値から継続されてきた米ドル安の流れを転換させる土台が固められ、米ドルの一段高につながりやすい。そのため、先週の調整があったからこそ、むしろメイントレンドを健全化させた側面がある。

繰り返し指摘してきように、2020年3月高値からの下落が、大型「下落ウェッジ」のフォーメーションを形成してきただけに、2020年11月高値の打診自体も同上放れを証左するサインとなり、これから「米ドル高・円安」への流れを加速していく、という見方は変わらない。

更に、年初安値(102.58円)を「ヘッド」とみなし、2020年11月安値(103.17円)と2021年1月21日安値(103.32円)を「ショルダーズ」とみる場合は、大型「ヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトム」(逆三尊型)の成立につながる。先々週のコラムで指摘した通り、先週の反落も許容範囲なので、同フォーメーションの存在を引き続き有力視する。

今週、再度上値を打診し、また2020年11月高値105.69円の上に変動を保てれば、新たな上昇段階入りにつながり、一直線に進行しなくても、2020年8月高値(107円関門手前)までのトライをなおメインシナリオとして念頭におきたい。

繰り返し指摘してきたように、米ドル全体の切り返しが進行しており、主要外貨のうち円が一番弱い存在となっているため、円は米ドル高の受け皿として重要な役割を果たしている。先週も見られたように、主要クロス円の上昇が確認され、また総合的に受動的な円安の流れを強めているため、円安の流れがこれから一層鮮明になってくる可能性が大きい。しばらく押し目買いのスタンスで臨みたい。

豪ドル/円  日足

週間予想レンジ:81.00~84.00

メインストラテジー:押し目買い&高値追い

・メイントレンドを維持
・モメンタムを加速中
・高値追いも一手

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

豪ドル/円は先週続伸した。また再度高値更新をもって我々のメインシナリオが再度証左されたため、基本的な見方や見通しの修正は全く必要ない。繰り返し指摘してきたように、2020年3月安値を起点とし、同年11月から加速してきた豪ドル/円の強気変動には大した変化がなく、調整らしい調整的な値動きもなかった。そのため、強いトレンドとして認定され、またトレンドフォローのみ現実的なスタンスであることは間違いない。

もっとも、スピード調整がなかったわけでもない。年初来たちまち高値を再更新し、1月第1週において80.94円をトライした。週足においてほぼ「10連陽」となり、1月末まで一旦79.19円のトライをもって調整を果たしたことも既述の通りである。値幅限定だったことはトレンドの強さを逆に証明した根拠となったわけだ。ゆえに、目先を含め、強気トレンドの進行はなお継続中であり、むしろこれからのモメンタムの加速を覚悟しておきたいところである。

繰り返し指摘してきたように、年初来80円心理大台を上回ったことが重要なサインだった。豪ドル/円のブル基調は堅実なものであり、80円心理大台のブレイクがあっても通過点にすぎず、新たな上値余地を拡大したとみる。先週の続伸や目先の堅調に鑑み、しばらく80円心理大台への押しが期待できないかと思われる。すなわち、押し目待ちに押し目ない、といったリスクのほうが大きい。

強気変動の土台は、2020年12月第3週の足型が重要なヒントを示唆していた。同週にて一時77.48円まで調整したものの、再度78.63円で大引けし、典型的な「スパイクロー」のサインを点灯させ、年初来までの続伸をもたらした。先週の続伸でメインシナリオが一層証左された以上、押し目買いだけではなく、高値追いも一手とみる。

豪ドル/米ドルの調整で2020年11月から続伸してきた勢いが続かない、という懸念を完全に杞憂とは言い切れない。しかし、我々の想定よりだいぶ上限に位置する79円大台さえ割り込めず、先週の続伸で80円心理大台への押し自体も見られないかもしれない。そのため、しばらく弱気不要というか、積極的な上値追いがあってもよいかと思われる。

直近のサインとして1月28日の「スパイクロー」が注目され、先々週の高値再トライをもって事実上の「フォールス・ブレイクアウト」のサインとなったところで先週や目先の堅調をもたらした。同サインが効いているうちは、しばらく高値を追う展開になりそうだ。

週足でみると、目先2018年12月高値84.04円まで大した抵抗ゾーンを見つからず、一直線の打診がなくても、比較的に順調なトライが想定される。日経平均株価の3万円大台回復がみられたように、目先リスクオフの円売りが進行されやすく、モメンタムの加速も想定しやすい。したがって、より積極的なスタンスで臨むべきだと思う。