日経平均株価は、これまで上値の壁となっていた29,000円台を一気に上回り、2月9日にはついに29,500円に乗せて取引を終える結果となりました。
それでは、2月9日までの値動きを振り返りながら、今後の展開について考えていきたいと思います。
前回の振り返り
前週初めは、5日移動平均線を上回ったものの、5日移動平均線が下向きとなっていることから、前回コラムでは「果たして本格的な下降トレンドが発生するのでしょうか。それとも、もち合いに戻るのでしょうか」としていました。
実際には、前週2月3日まで上昇が続きましたが、1月27日と28日にあけた窓を埋めると、2月4日には反落するなど、上値の重たい値動きとなっていました。
新たな窓が発生
一方、週末の2月5日に上昇して、1月25日の終値ベースの高値や1月14日の取引時間中の高値に接近して終えると、今週初めの2月8日には小さな窓をあけて取引が始まり、そのまま一気に29,000円を上回って終える結果となっていることが分かります。
これまで、1月の高値を上抜く条件として「新たな窓の発生が必要かもしれません」と述べていました。それが、まさにこの場面で小さな窓が発生したことから、高値を更新すると同時に、約30年半ぶりの高値水準までの上昇につながったと考えられるのではないでしょうか。
今回発生した窓の種類は?
では、今回発生した窓はどの種類の窓になるのでしょうか。値動きから考えますと、ブレイクアウェイギャップとしたいところですが、1月の取引時間中の高値より下で始まっていますので、コモンギャップではないかと考えます。
一方で、指数は個別株と異なり、終値で判断します。そのことから終値ベースで見ますと、日経平均の高値は1月25日の28,822円で、2月8日の始値が28,831円と、1月25日の高値を上回ってスタートしているのが分かります。
したがって、終値ベースで見ますと、ブレイクアウェイギャップと判断することができます。
慣れない投資家にとっては、どちらもあまり変わりないように思われるかもしれません。ただ、このような値動きを頭に入れておくと、高値を一気に超えて上昇する場面でも、乗り遅れることなくトレンドについていくことができるのではないかと思われます。
特に、スイングトレードを行う方にとっては、見逃せないポイントとなりますので、ぜひ覚えておいていただきたいところです。
今後の展開について
では今後の展開はどうなるのでしょうか。株価は29,500円台に達し、5日移動平均線も上向きとなっていることから、上昇トレンドが継続中と考えられます。したがって、このまま上向きの5日移動平均線上を維持できれば、3万円の大台に乗せることも考えられそうです。
一方で、5日移動平均線上を維持できずに割り込むと同時に、29,000円を終値で下回った場合は、25日移動平均線をサポートにしたもち合いや、外部環境次第では、25日移動平均線を下回ることも視野に入ってくるのではないかと思われます。
さて、今週から来週にかけて、3万円の大台を回復するのでしょうか。それとも上昇が一服するのでしょうか。週末にオプションSQが控えていることもあり、目が離せない1週間になりそうです。