今週から名実ともに2月相場入りとなりましたが、株価は冴えない展開となっています。それではいつものように、前回コラムで指摘したことを振り返りながら分析していきたいと思います。
前回の振り返り
前回コラムでは、イベントを控えて様子見ムードが広がり、値動きが小さくなっているのではないかと分析しました。
また、「下方向に窓をあけて下落した場合、ここでも5日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になるかどうかを確認することで、埋まっていない窓を埋めることになるかの判断材料になると思われます。今週は新たなトレンドが発生するかという点でも重要な週になりそうですので、目を離さないようにしたいところです」とも指摘しました。
実際の株価を見ますと、指摘したように1月28日に下方向に窓をあけて下落しているのが分かります。
また、1月29日には終値で一時25日移動平均線を下回る場面がありましたが、今週2月に入ってすぐに25日移動平均線や5日移動平均線上を回復し、もち直しています。
新たな窓の発生と窓埋め
では、今回あけた窓は、どの種類の窓なのでしょうか。私は、コモンギャップ(=普通の窓)ではないかと考えています。
例えば、もち合いを下放れたときに発生した窓ですので、ランナウエイギャップ(=逃げる窓)と考えた方がいるかもしれません。しかし、過去の値幅の範囲内で発生していることに加え、窓が発生したあとの株価も上向きの25日移動平均線上で持ちこたえたあと反発していますので、コモンギャップとするのが妥当だと思います。
そうしたなか、今週2月1日から2日までの反発を見ますと、このまま5日移動平均線上を維持できれば、1月27日と28日のあいだにあけた窓を埋めることが視野に入り、もち合いの継続も期待できるのではないでしょうか。
注意点と今後予想される展開について
一方で楽観視してばかりもいられません。2月2日の時点で注意すべき点があるのを皆さんはお分かりでしょうか。すぐにわかった方は、とても観察力が鋭いと思われます。
その注意すべき点とは、2月2日に5日移動平均線上を終値で回復したにもかかわらず、5日移動平均線が下向きのままで推移していることです。
そのため、翌営業日(2月3日)に続伸して取引が始まっても、値を保つことができずに5日移動平均線を割り込んでしまうことが考えられるのです。
また、5日移動平均線を割り込んだ場合、5日移動平均線が下向きで推移することが考えられるほか、再び25日移動平均線を下回って下降トレンド入りする可能性も高まるのではないでしょうか。
前回コラムでは、新たなトレンドの発生に注意するようお伝えしましたが、果たして本格的な下降トレンドが発生するのでしょうか。それとも、もち合いに戻るのでしょうか。
まだまだ目が離せない状況が続くと思われますので、下落した場合に巻き込まれないよう、しっかりとトレンドを確認するようにしていきたいところです。