東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに反発しました。日経平均は14円安の27,649円と小幅に下落してスタートしましたが、寄り付きを安値に直ぐにプラスに転じると上げ幅を広げ10時30分過ぎに296円高の27,960円まで上昇し241円高で前場を終えました。285円高の27,948円でスタートした後場の日経平均は一段高となり節目の28,000円を上回り大引け間際に443円高の28,107円まで上昇すると結局427円高の28,091円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

ZOZOタウンを運営するZOZO(3092)が17.1%上昇しストップ高となり昨年来高値を上回りました。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響でサイトの利用が増えたことなどから通期の営業利益の395億円から415億円に上方修正したことや、コスメ専門サイトを3月に開始すると発表したことが好感されました。日本通運(9062)も9.0%高となり昨年来高値を更新しました。航空貨物など国際物流や自動車部品関連の輸送需要の回復などを反映し通期の営業利益の見通しを550億円から720億円に引き上げ減益予想が一転して増益予想となったことで買いを集めました。また、TOTO(5332)も通期の営業利益の見通しを上方修正し減益予想が増益予想となったことで12.4%高となり昨年来高値を更新しています。

さらに高速通信規格5Gの基地局の関連事業が利益を押し上げたことなどで第3四半期の営業利益が前年同期比で増益を確保したNEC(6701)は投資判断と目標株価の引き上げもあって12.8%高となり昨年来高値を更新しています。

一方で第3四半期の営業利益が前年同期比で小幅ながら減益となったTDK(6762)が4.7%安となったほか、第3四半期の営業損益が大幅な赤字となり通期の見通しを引き下げたJR東日本(9020)も4.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は427円高となりました。先週末の米国市場は個人投資家による投機的な取引が市場の混乱を招くとの警戒感から大幅反落となりましたが、先週末の日本市場が米国株安を見越して大きく下げていたこともあって買いが優勢となりました。上げ幅を広げ先週末に割り込んだ25日移動平均線(27,954円)と節目の28,000円を回復したことから下値不安も一旦後退しそうですが、米国市場の動向には引き続き注意が必要です。

なお、決算発表が本格化していますが本日も引け後に京セラ(6971)や任天堂(7974)、みずほフィナンシャルグループ(8411)、日本航空(9201)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の2日午前0時には1月の米ISM製造業景況感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)