【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 30,996.98  ▼179.03 (1/22)
NASDAQ: 13,543.06  △12.15 (1/22)

1.概況

先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。バイデン米大統領が提案する1.9兆ドル規模の経済対策に反対する声が議員の間で広がっていると伝わりダウ平均とS&P500株価指数は下落となったものの、決算発表を控え業績への期待から主力ハイテク株への買いが続きナスダック総合株価指数は上昇し史上最高値を更新しました。ダウ平均は34ドル安でスタートすると朝方に267ドル安まで下落しましたが、持ち直すと昼過ぎには70ドル安程度まで下げ幅を縮めました。しかし、引けにかけて再び下げ幅を広げると結局179ドル安の30,996ドルで取引を終え続落となっています。また、S&P500株価指数も11ポイント安の3,841ポイントとなり4日ぶりに反落となっています。

一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は12ポイント高の13,543ポイントと4日続伸となり前日に続いて史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

1月の米製造業PMI速報値は59.1と前月から上昇し市場予想を上回りました。2020年12月の米中古住宅販売件数も年率換算で前月比0.7%増の676万戸となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融やエネルギー、資本財・サービスなどの8業種が下げました。一方で不動産と公益事業、コミュニケーション・サービスの3業種が上げています。

4.個別銘柄動向

IBM(IBM)が10%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。決算で売上高が市場予想以上に減ったことが嫌気されました。インテル(INTC)も9%を超える下げとなりダウ平均構成銘柄でIBMに次ぐ下落率となりました。決算は市場予想を上回りましたが最先端半導体の開発の遅れが嫌気されました。IBMとインテルの2銘柄でダウ平均を120ドル以上押し下げています。一方で業績への期待から主力ハイテク株の一角が買われセールスフォース・ドットコム(CRM)やアップル(AAPL)、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が1%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.02%低い1.08%となりました。ドル円は103円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

先週末の米国市場が高安まちまちとなったことから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は様子見ムードの強い一日となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)