【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 30,179.05 ▼124.32 (12/18)
NASDAQ: 12,755.64 ▼9.11 (12/18)
1.概況
先週末の米国市場は主要3指数が揃って史上最高値を更新した翌日ということもあって利益確定の売りが出て反落となりました。10ドル高と上昇してスタートしたダウ平均ですが40ドル高で上値が押さえられるとまもなくして下落に転じ下げ幅を広げ取引終盤には273ドル安まで下落しました。その後前日終値近辺まで急速に持ち直したダウ平均ですが戻し切れず引けにかけて下げ幅を広げると結局124ドル安の30,179ドルで取引を終え反落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も9ポイント安の12,755ポイントと5日ぶりに反落となっています。
2.経済指標等
11月の米景気先行指数は前月比0.6%上昇し市場予想を上回りました。また、7-9月期の米経常収支の赤字額は前期比10.6%増の1785億1300万ドルとなり、赤字額は2008年4-6月期以来およそ12年ぶりの大きさとなりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、不動産が2%近く下落したほかエネルギーも1%台後半の下げとなりました。一方で素材や生活必需品などの4業種が上げています。
4.個別銘柄動向
インテル(INTC)が6%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。マイクロソフトが(MSFT)が独自の半導体の開発を進めていると報じられたことでインテルへの依存度が下がる可能性が懸念されました。また、ダウ平均構成銘柄ではナイキ(NKE)も2%を超える下落となったほか、アップル(AAPL)とシェブロン(CVX)、ホーム・デポ(HD)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、アムジェン(AMGN)も1%以上下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では物流大手のフェデックス(FDX)が5%を超える下落となりました。決算は市場予想を上回る増収増益となりましたが、通期の利益予想を開示しなかったことが嫌気されました。一方で21日からS&P500株価指数に採用される電気自動車のテスラ(TSLA)が6%近く上げ上場来高値を更新しています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.02%高い0.95%となりました。ドル円は103円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)