【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 30,154.54  ▼44.77 (12/16)
NASDAQ: 12,658.19  △63.13 (12/16)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は米小売売上高が市場予想を下回ったことを嫌気して7ドル安と下落してスタートすると下げ幅を広げ午後に119ドル安まで下げ幅を広げましたが、FOMC後のパウエル議長の記者会見での目標に向けた進展が鈍れば政策金利の引き下げやバランスシートの拡大加速で対応するとの発言を受けて持ち直しプラスに転じると取引終盤に36ドル高まで上昇しました。しかし、引けにかけて再び下落に転じると結局44ドル安の30,154ドルで取引を終え反落となっています。

一方でS&P500株価指数が6ポイント高の3,701ポイントと続伸となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も63ポイント高の12,658ポイントと3日続伸となり前日に続いて史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

米連邦公開市場委員会(FOMC)では資産購入について雇用の最大化と物価の安定という目標に向けてかなりの進展があるまでとの新たな指針を盛り込みました。また、11月の米小売売上高は前月比1.1%減となり市場予想を下回りました。さらに12月の全米住宅建設業協会(NAHB)の米住宅市場指数も86に止まり市場予想を下回りました。一方で12月の米製造業PMI速報値も56.5となり前月から悪化したものの市場予想を上回りました。10月の米企業在庫は前月比0.7%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や資本財・サービス、エネルギーなどの6業種が下げ、公益事業は1%を超える下落となりました。一方で一般消費財・サービスや情報技術、生活必需品などの5業種が上げ、一般消費財・サービスは1%余り上昇しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではマイクロソフト(MSFT)が2%を超える上昇となったほか、セールスフォース・ドットコム(CRM)も1%以上上げました。一方でウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が2%以上下げ、ハネウェル・インターナショナル(HON)も2%近く下落しました。ダウ平均構成銘柄以外では、ツイッター(TWTR)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて2%を超える上昇となりました。また、ビットコインの価格が初めて2万ドルを超えるなかビットコインを決済で使えるように準備を進めている決済サービス大手のペイパル・ホールディングス(PYPL)が4%近く上昇し、ビットコイン事業を積極的に広げているスクエア(SQ)も3%以上上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い0.92%となりました。ドル円は円高に振れ103円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したこともあって堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が9日に付けた年初来高値(26,817円)を試すような展開をみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)