【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 29,861.55  ▼184.82 (12/14)
NASDAQ: 12,440.04  △62.17 (12/14)

1.概況

米国市場は米与野党が追加経済対策で合意が近いとの観測や米国での新型コロナワクチンの接種が開始されたことが好感されたものの、新型コロナウイルスの感染再拡大が続いていることが相場の重石となり高安まちまちとなりました。ダウ平均は77ドル高でスタートするとまもなくして279ドル高まで上昇しましたが、ニューヨーク市長がロックダウンの可能性に言及すると昼過ぎにマイナスに転じ下げ幅を広げ引け間際には197ドル安まで下落しました。結局ダウ平均は184ドル安の29,861ドルで取引を終え反落となっています。また、S&P500株価指数も15ポイント安の3,647ポイントと4日続落となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は62ポイント高の12,440ポイントと反発となっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスと情報技術を除く9業種が下げました。そのなかでもエネルギーが3%を超える下落となったほか、素材と資本財・サービス、金融も1%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が下げました。そのなかでもウォルト・ディズニー(DIS)とシェブロン(CVX)が3%を超える下落となったほか、メルク(MRK)とジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も2%以上下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、宅配サービス大手のドアダッシュ(DASH)が投資判断の引き下げを受けて8%以上下落しました。民泊仲介大手のエアビーアンドビー(ABNB)も同じく投資判断の引き下げを嫌気して6%を超える下げとなっています。一方でバイオ製薬のアレクシオン・ファーマシューティカルズ(ALXN)が英製薬のアストラゼネカが買収で合意したと発表したことで買収価格にさや寄せする格好で急伸し29%余り上げています。また、決済サービスのペイパル・ホールディングス(PYPL)が来年最も有望との指摘を受けて3%以上上げました。さらに動画配信のネットフリックス(NFLX)も4%近く上げました。ニューヨーク市長がロックダウンの可能性に言及するなか巣ごもり消費関連として物色が向かいました。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの0.89%となりました。ドル円は104円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が反落となったことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。また、日本時間の11時には中国で11月の鉱工業生産や小売売上高など多くの経済指標が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)