【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 30,218.26  △248.74 (12/4)
NASDAQ: 12,464.23  △87.05 (12/4)

1.概況

先週末の米国市場は米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を下回ったことで経済対策の必要性が増し与野党協議が早期合意に向かうとの期待が高まり主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。ダウ平均は20ドル高でスタートすると一日を通してじりじりと上げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は248ドル高の30,218ドルと高値引けとなり先月24日に付けた史上最高値(30,046ドル)を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も32ポイント高の3,699ポイントとなり2日に付けた史上最高値(3,669ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も87ポイント高の12,464ポイントとなり前日付けた史上最高値(12,377ポイント)を上回っています。

2.経済指標等

11月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比24万5000人増に止まり市場予想を大きく下回りました。一方で失業率は6.7%と前月から0.2ポイント低下し市場予想を上回る改善となりました。10月の米製造業受注も前月比1.0%増となり市場予想を上回っています。また、10月の米貿易収支の赤字額は前月比1.7%増の631億ドルとなりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、エネルギーが5%を超える上昇となったほか、素材も2%高となりました。一方で公益事業と一般消費財・サービスの2業種が下げ、公益事業は1%安となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が上げました。そのなかでもキャタピラー(CAT)が4%以上上昇したほか、シェブロン(CVX)も4%近く上げました。また、IBM(IBM)も3%近く上げ、ダウ(DOW)とビザ(V)、セールスフォース・ドットコム(CRM)、ハネウェル・インターナショナル(HON)、コカ・コーラ(KO)も2%以上上昇しました。一方でボーイング(BA)が2%近く下げ、ホーム・デポ(HD)も1%を超える下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、半導体株が高くクアルコム(QCOM)が5%以上上げたうえ、マイクロン・テクノロジー(MU)も5%近く上昇しています。さらに決算が市場予想を上回った電子契約サービスのドキュサイン(DOCU)が5%を上回る上昇となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.05%高い0.96%となりました。ドル円は104円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場で主要3指数が揃って史上最高値を更新したことから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が3日に付けた年初来高値(26,809円)を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)