選挙の決着とは別に注目されること

注目の米大統領選挙は、懸念されたように、3日の投票からすぐに勝敗の決着が付かない見通しとなっている。その中で、米ドル/円は方向感の定まらない動きが続いている。具体的には、「コロナ・ショック」とされた世界的な株暴落が一段落した4月以降続いてきた90日MA(移動平均線)±2%のレンジ内の展開となっている(図表参照)。

【図表】米ドル/円の90日MAからのかい離率(2020年4月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

ところで、これまでも紹介してきたように、4年に一度の米大統領選挙前の米ドル/円は、こんなふうに90日MA±2%といった狭いレンジでの方向感のない展開が続くことが、むしろ一般的だった。

ただし、選挙前後に米ドル/円が、90日MA±2%をブレークすると、1~2ヶ月以内に同かい離率が±5%以上に急拡大するといったことが基本だった。さて、足元の米ドル/円の90日MAは105.9円。従って、その±2%に相当するのは、下値は103.8円、そして上値は108円といった計算になった。

以上を参考にすると、米ドル/円が103.8円割れ、または108円以上に上昇するなら、米国株などの動きをにらみながら、大統領選挙の決着のいかんに関わらず、米ドル/円に新たなトレンドが発生している可能性が注目されることになりそうだ。