【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26,501.60 ▼157.51 (10/30)
NASDAQ: 10,911.59 ▼274.00 (10/30)
1.概況
先週末の米国市場は決算を発表した主力ハイテク株に売りが出て反落となりました。86ドル安でスタートしたダウ平均は500ドル安程度まで下落した後に一旦下げ幅を縮め昼過ぎに200ドル安程度まで持ち直しましたが、その後再び下げ幅を広げると515ドル安まで売られ安値を付けました。しかし、引けにかけて大きく下げ幅を縮めると結局157ドル安の26,501ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も274ポイント安の10,911ポイントとなり2%を超える下落となっています。
2.経済指標等
9月の個人消費支出(PCE)は前月比1.4%増となり市場予想も上回りました。米個人所得も前月比0.9%増加し市場予想を上回っています。また、10月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は61.1と前月から低下しましたが市場予想を上回りました。10月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も81.8と速報値から上方修正され市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、一般消費財・サービスが3%安となったほか、情報技術も2%を超える下落となりました。コミュニケーション・サービスと公益事業も1%近く下げています。一方で金融とエネルギーの2業種が上げています。
4.個別銘柄動向
アップル(AAPL)が5%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。iPhoneの売上高が大幅に減ったことや10-12月期の業績見通しを公表しなかったことが嫌気されました。また、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も10-12月期の営業利益の見通しが市場予想を下回ったことで5%以上下げたほか、ツイッター(TWTR)も1日当たりのアクティブユーザー数が市場予想を下回ったことなどで急落し21%余り下落しています。さらにフェイスブック(FB)も6%を超える下落となりました。決算は市場予想を上回りましたが、オンライン広告事業の先行き不透明感が嫌気され売りに押されました。一方で市場予想を上回る決算を発表したグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)が4%近く上げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.05%高い0.87%となりました。ドル円は104円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
日本市場は米国市場の下げを先週末の大幅安で織り込み済みとなっていることから本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。3日の米大統領選など数多くの重要イベントを控え様子見となりやすいなかで日経平均が一目均衡表の雲の上限(23,199円)を抜けてくることができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)