【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 28,586.90 △161.39 (10/9)
NASDAQ: 11,579.94 △158.96 (10/9)
1.概況
先週末の米国市場は米政権が経済対策案の規模を引き上げ民主党案に歩み寄る姿勢をみせたことで追加の米経済対策への期待が膨らみ3日続伸となりました。108ドル高でスタートしたダウ平均は15ドル高まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく底堅さをみせると持ち直し昼過ぎに250ドル高まで上昇しました。その後ダウ平均は共和党上院トップのマコネル院内総務が大統領選前に追加の経済対策で合意できないだろうとの認識を示したと伝わったことでやや上げ幅を縮めたものの結局161ドル高の28,586ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も158ポイント高の11,579ポイントとなっています。
2.経済指標等
8月の米卸売在庫は前月比0.4%増に止まり市場予想を下回りました。卸売売上高も前月比1.4%増に止まり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、情報技術と一般消費財・サービスが1%を超える上昇となりました。一方で3業種が下げ、エネルギーが1%以上下落しています。
4.個別銘柄動向
主力ハイテク株が総じて堅調でアマゾン・ドット・コム(AMZN)が3%高となったほか、マイクロソフト(MSFT)も2%以上上昇しました。アップル(AAPL)と電気自動車のテスラ(TSLA)、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も2%近く上げています。また、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)による買収協議が進展していると報じられた同業のザイリンクス(XLNX)が14%余り上げました。一方でアドバンスト・マイクロ・デバイスは財務負担が懸念され4%近く下げています。さらに半導体大手NXPセミコンダクターズ(NXPI)が売上高の速報値が会社予想の中心値を上回ったことで4%以上上げました。前日に大きく上げたIBM(IBM)は利益確定の売りで3%近く下落しています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.01%低い0.77%となりました。ドル円は105円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は先週末に続いて利益確定の売りが先行して軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り切り返すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)