【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 28,032.38 △36.78 ( 9/16 )
NASDAQ: 11,050.47 ▼139.86 ( 9/16 )
1.概況
米国市場は景気敏感株が買われる一方でハイテク株に売りが出て高安まちまちとなりました。36ドル高でスタートしたダウ平均は昼前に230ドル高程度まで上昇した後一旦上値が伸び悩みましたが、FOMCの結果発表後にゼロ金利の長期化見通しを好感した買いで一段高となり一時は369ドル高まで買われました。
しかし、長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出て引けにかけて急速に上げ幅を縮めると結局36ドル高の28,032ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が15ポイント安の3,385ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も139ポイント安の11,050ポイントとなっています。
2.経済指標等
米連邦公開市場委員会(FOMC)でゼロ金利と金融資産の購入ペースの維持を決めました。声明では物価上昇率がしばらくの間、穏やかに2%を超える水準を目指すとフォワード・ガイダンスが変更されたほか、政策金利の見通しで今回から新たに加わった2023年末の予想では17人のメンバーのうち13人が政策金利の据え置きを予想しています。また、8月の米小売売上高は前月比0.6%増に止まり市場予想を下回りました。一方で9月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数は83と前月から上昇し過去最高となり市場予想も上回りました。7月の米企業在庫は前月比0.1%増となり市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が下げ、情報技術とコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービスが1%以上下落しました。一方で5業種が上げ、エネルギーが4%余り上昇したほか、金融も1%を超える上昇となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではアップル(AAPL)が3%近く下げ下落率トップとなったほか、ダウ(DOW)も2%を超える下落となり、マイクロソフト(MSFT)も2%近く下げました。一方でシェブロン(CVX)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が3%近く上げ、ボーイング(BA)も2%を上回る上昇となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では、目標株価の引き上げを受けてフェデックス(FDX)が6%近く上げています。住宅建設のKBホーム(KBH)も9月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数が過去最高となったことで5%以上上げました。フェイスブック(FB)は米連邦取引委員会が年内にも独占禁止法違反で提訴する可能性があると伝わったことで3%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は債券にインフレを警戒した売りが出て0.01%高い0.69%となりました。ドル円では円高が進み104円90銭台で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は円高が重石となりやや売り優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか金融政策に変更はないとみられますが、昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定で注目されます。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)