東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は下落しました。日経平均は20円高の23,311円で寄り付くと取引開始直後に32円高の23,323円までやや上げ幅を広げましたが、直ぐにマイナスに転じると下げ幅を広げ前引け間際に113円安の23,177円まで下落し104円安で前場を終えました。やや持ち直し72円安の23,218円でスタートした後場は12時50分前に59円安まで戻しましたが、再び下げ幅を広げると14時40分過ぎには112円安の23,178円まで下落しました。その後引けにかけてやや下げ幅を縮めた日経平均は結局82円安の23,208円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となりました。また、商いは本日も低調で東証1部の売買代金は1兆7234億円と2兆円を下回っています。

2.個別銘柄等

リクルートホールディングス(6098)が5.6%高となりました。

昨日の取引終了後に発表した決算で第1四半期の営業利益は前年同期比62.6%減と大幅な減益となりましたが、市場予想を上回ったことで買いが優勢となりました。ウシオ電機(6925)も6.2%高となりました。新型コロナウイルスなどを除菌できる紫外線照射装置の製品化に向け東芝ライテックと業務提携すると発表したことが材料視されました。

また、昨日に米国市場で顧客情報管理大手のセールスフォース・ドットコム(CRM)が決算で売上高が市場予想を上回り目標株価の引き上げが相次いだことで26%高となったことを受けて日本でセールスフォース・ドットコムのシステムでクラウド導入支援を行っているテラスカイ(3915)が一時15.2%高まで買われストップ高となりました。引けは14.3%高となっています。

一方で東京都が新型コロナウイルス感染拡大防止策として都内の飲食店やカラオケ店に求めていた午後10時までの営業時間短縮について9月15日まで期間を延長する方針を固めたと伝わったことでカラオケチェーンのコシダカホールディングス(2157)や第一興商(7458)、居酒屋の鳥貴族(3193)などが売られ、コシダカホールディングスが4.9%安、第一興商が2.8%安、鳥貴族が4.1%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は82円安となりました。昨日の米国市場でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が揃って史上最高値を更新しましたが、カンザスシティ地区連銀が主催する経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)の開催を控えていることから日本市場は様子見となり売りが優勢となりました。

そのジャクソンホール会議では日本時間の22時過ぎからパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「金融政策の枠組み見直し」をテーマに講演を行う予定で、そのなかで9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で導入が決まるかもしれないフォワード・ガイダンスについて示唆があるかが注目されます。また、21時30分には4-6月期の米GDP改定値や米新規失業保険申請件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)