日経平均のテクニカル分析ですが、6月9日高値を起点として7月15日高値を通る上値抵抗線をあっさりと上回ってきました。前回コラムで書いた、上値抵抗線に到達後はいったん下押す可能性あり、といった私の見方は外れとなりました。

6月9日高値を起点に三角もち合い(高値が切り下がる、安値が切り上げる日柄調整のパターン)をイメージしていましたが、少し違うようです。どちらかというと、ボックス相場に近い動きなのかもしれません。

SQ値の突破を試す動きになるか

さて、先週末は8月限のマイナーSQ算出日でした。一般的には、メジャーSQである3月、6月、9月、12月以外の限月はマイナーSQといいます。

引け後に取引所から発表されたSQ値は23,350.79円でした。当日(8月14日)の値動きのうち高値(23,338円)がSQ値に届かない「幻のSQ」というものです。幻のSQ値になると、短期的にSQ値が上値のフシになりやすく、翌週以降で調整する可能性が高い、といった指摘もあります。このフシは売買高のフシです。

通常、SQ算出日の売買高は膨らみますが、最近はあまり普段と大きな差はありません。今回、8月限のSQ算出日の売買代金は2兆270億円程度。2020年のマイナーSQ日では最低を更新しました。8月の特殊要因があるかもしれませんが、そんなSQの壁はあっさりと上抜けていくでしょう。

短期的には、揺り戻しといって、上述した上値抵抗線を抜けたあとは、そこまで再び戻る株価の習性があると思います。ということから、今週(8月17日~21日)前半は利益確定売りなどに押される可能性は高いですが、揺り戻しの水準までこなしたあとは、SQ値の突破を試す動きになることが予想されます。

TOPIXが日経平均に追随して上回れるかに注目

日経平均が6月高値の節目を上回ったことで、新型コロナショック後の3月安値を起点とした上昇波動が継続していることが確認できました。

一方、TOPIX(東証株価指数)はまだ上抜けていません。今後の日本株全体にとって、TOPIXが日経平均に追随して上回れるかどうかが、今週・来週のポイントです。相場の方向性の確度を高めるためには、両指数ともに同じサインが必要と考えます。