8月11日(火)は、週初から日経平均が堅調です。米7月雇用統計の発表を通じても、米国株式の上昇が続いており、今週は日本株に買い戻しが続く公算が大きいです。米ドル/円相場も再び円安方向を試す展開が予想されるほか、上海総合指数の年初来高値更新があれば支援材料になります。

材料難で売買代金の減少が予想されるものの、薄商いだからといって株価が上がらないわけではありません。8月はFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されないことも、イベントリスクを抱えずに、株・為替ともにリスク選好のムードが続きやすいとみられます。

一方、国内のハイテク株の最近の動きをみると、日々線で陰線が多くなっていることがわかります。米国のハイテク株が上昇しても、高く始まったあとは売りに押される動きが続いています。半導体検査装置の大手メーカーであるアドバンテストの決算発表後のストップ安は、ある意味、グロース株であるハイテク株の短期的な限界を示唆している可能性もあります。

逆に、バリュー株の一角に見直し機運が少し出てきたようです。自動車株や空運株、陸運株など、足元の業況が悪いはずのセクターに見直し買いが入っており、もしかすると底打ちではないかと期待する動きになりつつあります。

今後の物色を考える上で、バリューかグロースか、どちらの流れになるかは個別株を選別する上でも重要な要素となります。しかし、まだはっきりしないでしょう。前回コラムでお話したように、8月は日経平均のもみ合いが続きそうだからです。

日経平均は6月9日高値を起点に7月15日高値を通る右肩下がりの抵抗線が、目先の上値のフシとなり得ます。そこまであとわずかに迫っており、到達後はいったん下押す可能性があります。

さらに、6月9日高値を起点に三角もち合い(高値が切り下がる、安値が切り上げる日柄調整のパターン)がイメージできますが、だとしたら、その過程で5波動の上げ下げがあるはずなのです。6月9日高値から6月15日安値までが1波、6月15日安値から7月15日高値までが2波、7月15日高値から7月31日安値までが3波とした場合、今の上昇は4波となりますので、5波の最後の押し目がどこかであると推測することができます。

三角もち合いを上抜けた場合、バリューかグロースのどちらが先導役になるかどうか、ここが注目点となります。三角もち合いが続く以上、目先は日替わりでどっち付かずの物色にとどまるでしょう。物色傾向がはっきりするのは、三角もち合いを放れた後です。もちろん、下放れる可能性もあるわけですが、その場合でもバリューかグロースのどちらかの下げが相場全体の悪役になると思われます。

週初の上昇をみると、何か買わないと出遅れてしまう、といった感覚に陥ります。ですが、ここは一歩引いて、バリュー、グロースの見極めができるまで、もう少し待ちのスタンスが賢明だと思われます。