【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 27,844.91  ▼86.11 (8/17)
NASDAQ: 11,129.73  △110.42 (8/17)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は景気敏感株に売りが出て下落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は主力ハイテク株が買われたことで上昇し、ナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しました。39ドル高でスタートし取引開始直後に68ドル高まで上昇したダウ平均ですがまもなくして下落に転じると一時は114ドル安まで売られるなどその後は取引終了まで軟調な推移が続きました。結局ダウ平均は86ドル安の27,844ドルで取引を終え反落となっています。

一方でS&P500株価指数が9ポイント高の3,381ポイントと3日ぶりに反発したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も110ポイント高の11,129ポイントと反発し8月6日に付けた史上最高値(11,108ポイント)を上回っています。

2.経済指標等

8月のニューヨーク連銀製造業景気指数は3.7と前月から大きく低下し市場予想も下回りました。また、8月の全米住宅建設業協会(NAHB)の住宅市場指数は78と前月から上昇しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスや不動産、情報技術などの7業種が上げ、一般消費財・サービスは1%を超える上昇となりました。一方で金融やエネルギー、資本財・サービスなどの4業種が下げ、金融が1%以上下落しました。

4.個別銘柄動向

ホーム・デポ(HD)が目標株価の引き上げを受けて3%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が目標株価の引き上げが相次いだことで6%以上上昇し上場来高値を更新しています。電気自動車のテスラ(TSLA)も目標株価の引き上げを好感して11%余り上げ上場来高値を更新しました。

一方で米商務省が中国のファーウェイに対する事実上の禁輸措置を強化すると発表したことで米中関係の悪化が懸念されボーイング(BA)が3%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。そのほかのダウ平均構成銘柄ではアメリカン・エキスプレス(AXP)とJPモルガン・チェース(JPM)、ゴールドマン・サックス(GS)、トラベラーズ(TRV)も2%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%低い0.69%となりました。ドル円は106円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でナスダック総合株価指数が大幅高となり史上最高値を更新したことから上昇してのスタートが予想されます。ドル円が円高に振れるなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)