【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  27,686.91   ▼104.53  ( 8/11 )
NASDAQ:  10,782.82   ▼185.53  ( 8/11 )

1.概況

米国市場は追加の経済対策への懸念から下落となりました。ダウ平均は新型コロナウイルスワクチンへの期待などから170ドル高でスタートすると一時363ドル高まで買われるなど堅調に推移しましたが、追加の経済対策の協議が難航していると伝わると取引終盤に急速に上げ幅を縮め下落に転じ取引終了間際には166ドル安まで下落する場面もありました。結局ダウ平均は104ドル安の27,686ドルで取引を終え8日ぶりに反落となっています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も185ポイント安の10,782ポイントと3日続落となっています。

2.経済指標等

7月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.6%上昇し市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、公益事業が2%余り下落したほか、不動産と情報技術、コミュニケーション・サービスも1%以上下げています。一方で金融と資本財・サービスの2業種が上げ、金融は1%を超える上昇となりました。

4.個別銘柄動向

主力ハイテク株に利益確定の売りが出てアップル(AAPL)が3%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、マイクロソフト(MSFT)も2%以上下げ、この2銘柄でダウ平均を125ドル近く押し下げました。

電気自動車のテスラ(TSLA)と動画配信のネットフリックス(NFLX)も3%を超える下落となり、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も2%余り下げています。また、配車サービス大手のウーバーテクノロジーズ(UBER)とリフト(LYFT)が売られました。カリフォルニア州上級裁判所がドライバーを契約社員から正社員に変更するように求める命令を両社に出したことで人件費上昇が懸念されウーバーテクノロジーズが3%を超える下落となり、リフトも1%以上下落しました。一方で長期金利の上昇を受けてJPモルガン・チェース(JPM)が3%余り上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。

がん免疫治療薬「オプジーボ」の胃がんや食道がんの臨床試験で有効性が確認されたと発表したことで製薬大手のブリストル・マイヤーズスクイブ(BMY)も2%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.07%高い0.64%となりました。ドル円は106円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)