【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  27,791.44   △357.96  ( 8/10 )
NASDAQ:  10,968.36   ▼42.63  ( 8/10 )

1.概況

先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。雇用統計の市場予想を上回る改善を受けてダウ平均とS&P500株価指数は6日続伸となりましたが、ハイテク株に利益確定の売りが出てナスダック総合株価指数は8日ぶりに反落となりました。65ドル安でスタートしたダウ平均は一時163ドル安まで売られるなど米中対立や米経済対策の協議の難航が重荷となりマイナス圏での推移が続きましたが、引けにかけて買いが優勢となりプラスに転じると結局46ドル高の27,433ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も2ポイント高の3,351ポイントとなりました。一方で前日まで連日で史上最高値を更新していたナスダック総合株価指数は97ポイント安の11,010ポイントとなっています。

昨日の米国市場も高安まちまちとなりました。トランプ米大統領が追加の経済対策を大統領令で発動したことを好感しダウ平均とS&P500株価指数は7日続伸となりましたが、ハイテク株に引き続き利益確定の売りが出たことでナスダック総合株価指数は続落となりました。54ドル高でスタートしたダウ平均は280ドル高程度まで上昇した後昼前に120ドル高程度まで上げ幅を縮めましたが、午後に入って再び上げ幅を広げると引け間際には370ドル高まで上昇し、結局357ドル高の27,791ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も9ポイント高の3,360ポイントとなりました。一方でナスダック総合株価指数は42ポイント安の10,968ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週末発表の7月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月から176万3000人増となり市場予想を上回りました。失業率も10.2%と前月から0.9ポイント低下し市場予想を上回る改善となりました。また、6月の米卸売在庫は前月比1.4%減少に止まり市場予想を上回りました。卸売売上高も前月比8.8%増となり市場予想を上回りました。一方で6月の米消費者信用残高は前月比90億ドル増に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

先週末の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、金融が2%を超える上昇となったほか、公益事業と資本財・サービス、不動産も1%以上上げました。一方で情報技術と一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービスの3業種が下げ、情報技術は1%以上下落しました。

昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、エネルギーが3%余り上昇したほか、資本財・サービスも2%以上上げました。また、素材も1%近く上昇しています。一方でコミュニケーション・サービスやヘルスケアなど5業種が下げています。

4.個別銘柄動向

先週末の米国市場では携帯電話大手のTモバイルUS(TMUS)が第2四半期の契約者数が予想以上に増加したことで6%以上上昇しました。一方で配車大手のウーバー・テクノロジーズ(UBER)は配車事業が落ち込み1株損失が市場予想以上となったことで5%を超える下落となりました。また、ハイテク株に売りが出てアップル(AAPL)が2%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。

昨日の米国市場ではボーイング(BA)とキャタピラー(CAT)が5%を超える上昇となり、ダウ平均を2銘柄で110ドル以上押し上げました。一方で利益確定の売りでマイクロソフト(MSFT)が2%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。ダウ平均構成銘柄以外では、貨物のフェデックス(FDX)が投資判断の引き上げを受けて9%高となりました。電気トラックのニコラ(NKLA)もゴミ収集車2500台を受注したと発表したことで急伸し22%余り上げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.03%高い0.56%となりました。昨日の長期金利は0.02%高い0.58%となりました。ドル円は105円90銭台で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場でダウ平均が先週末と昨日の2日間で400ドル以上上げたことを受けて本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の22,500円や25日移動平均線(先週末時点で22,521円)を回復できるかがポイントとなりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)