【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26,539.57  △160.29 (7/29)
NASDAQ: 10,542.94  △140.85 (7/29)

1.概況

米国市場はFOMCの結果を受けて金融緩和が長期化するとの見方が強まり反発しました。FOMCの結果発表を午後に控え様子見となり9ドル高でスタートしたダウ平均ですが、じりじりと上げ幅を広げるとFOMCの結果発表を受けて一段高となり取引終盤には223ドル高まで上昇しました。

その後引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局160ドル高の26,539ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も140ポイント高の10,542ポイントとなりました。

2.経済指標等

米連邦公開市場委員会(FOMC)はゼロ金利政策と資産購入の維持を決めました。声明では米経済を支援するためにあらゆる手段を行使し、雇用最大化と物価安定という目標を促進することに全力で取り組むとしています。

また、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は記者会見で低インフレ克服にはかなりの時間がかかるとし、米経済を支えるためあらゆる手段を活用するとしています。さらに6月の中古住宅販売仮契約指数は前月比16.6%上昇の116.1となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーと金融が2%以上上昇したほか、不動産も2%近く上げています。

4.個別銘柄動向

半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が決算で売上高が市場予想を上回ったことや、通期の売上高の見通しを引き上げたことで急伸し12%以上上げました。スターバックス(SBUX)も決算で赤字幅が市場予想より小幅だったうえ、通期の業績見通しを引き上げたことで4%近く上げています。

また、ネット通販事業を支援するショッピファイ(SHOP)も決算が市場予想を上回る大幅な増収となったことで9%近く上げました。さらに衣料・雑貨のエル・ブランズ(LB)も5-7月期の売上高の見通しが市場予想を上回ったうえ、本社の人員削減などによるコスト削減を発表したことで急伸し35%近く上げています。

一方でボーイング(BA)が決算で売上高が市場予想を下回ったことで3%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。ゼネラル・エレクトリック(GE)も決算で1株損失が市場予想以上に拡大したことで5%近く下げています。ハードディスクのシーゲート・テクノロジー(STX)も決算で売上高や1株利益が市場予想を下回ったことで9%以上下落しました。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%低い0.57%となりました。ドル円は104円90銭台で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の22,500円や25日移動平均線(昨日時点で22,528円)を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)