前半戦、強かったグロース株

2020年の前半戦が終了しました。図表は、前半戦の業種別株価指数の推移です。全33業種のうち空運、海運、鉄鋼など成長期待は薄いもののPBR(株価純資産倍率)が低く、割安感のあるバリュー業種が下位となりました。バリュー業種には景気に敏感なものが多く、新型コロナウイルスの拡大を背景に経済活動がストップし、世界的に景気後退が懸念される中で買いが入りづらかったといえます。

【図表】年前半の業種別株価指数の推移 (2020/1/6-2020/6/30)
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチ作成

一方、しっかり値を保ったのが医薬、情報通信など成長期待のあるグロース業種。グロース業種にはワクチン開発や5G、オンラインビジネスの拡大などで恩恵を受けるという思惑が先行しやすく、3月以降の上昇が強かったことがうかがえます。そういった意味では、コロナショックで株価が同時に下げたあとは、はっきりと明暗が分かれる年前半の相場展開だったといえます。

そろそろバリュー株への見直し買いか?

年後半も基本的にはグロース優位の構図が続くと思われます。ただ、短期的にはバリュー株への見直し買い、いわゆるリターン・リバーサルの動きが予想されます。バリュー株指数は6月だけでみても、調整・出遅れが目立ちましたが、既に3月の高値水準まで下落しており、そろそろ買われやすい水準にきているからです。7月後半から本格化する4-6月期の決算発表時期までは出遅れ感のあるバリュー株優位の展開に期待したいところです。

一方、最近では2016年、2018年の年後半で、長い間バリュー株が優位になる局面があったことからも、この先において景況感の改善が進めば、グロースに追いついていく展開も十分ありえるとみています。