東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は小幅に反発しました。日経平均は60円高の22,182円で寄り付くと上げ幅を縮め昨日の終値を挟んで小幅に揉み合う展開となりましたが、徐々に買いが優勢になると10時40分過ぎごろから上げ幅を広げ前引け間際には145円高の22,267円まで上昇し144円高で前場を終えました。123円高の22,245円でスタートした後場は新型コロナウイルスの東京都の本日の新規感染者数が100人以上と伝わったことで後場寄り直後に急速に弱含み上げ幅を縮めました。14時40分ごろに37円安まで売られるなどマイナスに転じる場面もありましたが、下げ渋ると直ぐにプラスに転じおおむね小幅高で推移しました。結局、日経平均は24円高の22,145円で取引を終えています。

一方で新興市場は軟調で東証マザーズ指数が5.0%安と大きく下げ6日続落となったほか、日経ジャスダック平均も続落となっています。

2.個別銘柄等

投資判断や目標株価の変更に大きく反応する銘柄がみられました。スマホゲーム最大手のガンホー・オンライン・エンターテインメント(3765)が投資判断と目標株価の引き上げを好感して急伸し11.8%高となったほか、オンラインゲームのネクソン(3659)も目標株価の引き上げを受けて4.5%高となりました。ヤマトホールディングス(9064)も投資判断の引き上げを受けて3.9%高となり、第一生命ホールディングス(8750)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて2.1%高となっています。一方でフジ・メディア・ホールディングス(4676)が目標株価の引き下げを嫌気して2.7%安となり、TDK(6762)も投資判断と目標株価の引き下げで2.2%安となっています。

業績予想の修正に反応する銘柄もみられました。下方修正を受けて大きく下げたのが串カツ田中ホールディングス(3547)で、上期の最終損益が不採算店舗の減損損失を計上することなどで赤字に転落すると発表したことで急落し10.0%安となっています。反対に上方修正で大きく上げたのが営業支援や倉庫軽作業請負のエスプール(2471)で、巣ごもり需要によりEC通販業務が増加したうえ、販管費などの抑制が進んだことなどにより上期の業績予想を引き上げたことで7.7%高となりました。

また、マザーズ市場ではバイオ株の急落が目立ちました。アンジェス(4563)が11.9%安、オンコセラピー・サイエンス(4564)が14.9%安、ナノキャリア(4571)が14.6%安、カイオム・バイオサイエンス(4583)が9.4%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は米国市場でナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことや、昨日に想定外の下げとなった反動もあって反発しました。しかし、東京都の新型コロナウイルス新規感染者数が大きく増えたことで上げ幅を縮め5日移動平均線(22,212円)を上回ることができませんでした。一昨日は大幅反発となりながらも引けにかけて上げ幅を縮め25日移動平均線を上回ることができず、昨日は上値が伸び悩むと下落に転じるなど、下値サポートとなっていた25日移動平均線を月曜日に割り込んでから徐々に上値が重くなっています。

こうしたなかで今晩は日本時間の21時30分に6月の米雇用統計が発表されます。非農業部門雇用者数は前月比300万人程度の増加が見込まれているほか、失業率も前月の13.3%から12.4%程度への改善が見込まれています。上値が重くなってきた流れを変えられるかが注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)