東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は米国株高を受けて反発しました。日経平均は340円高の22,335円で寄り付くとしばらく22,300円台で推移しましたが、10時発表の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を上回ったこともあって上げ幅を広げると10時40分に453円高の22,448円まで上昇しました。386円高の22,381円で前場を終えた日経平均は385円高で後場をスタートさせるとしばらく22,400円を挟んで小幅に揉み合いました。しかし、14時30分過ぎから弱含むと引け間際には278円高の22,273円まで上げ幅を縮め本日の安値を付けました。結局、日経平均は293円高の22,288円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が4日続落となった一方で、日経ジャスダック平均は4日ぶりに反発となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で取引終了後に決算を発表した半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)が、売上高が市場予想を上回ったことなどから時間外で大きく上げたことを受けて日本市場では半導体製造装置関連銘柄が買われました。東京エレクトロン(8035)が一時2.4%高まで買われ上場来高値を更新したほか、SCREENホールディングス(7735)も4.1%高で引けています。

また、米連邦航空局が運航停止中の小型機737MAXの試験飛行を今週に始めると明らかにしたことで昨日の米国市場でボーイング(BA)が14%以上上げた流れを受けて日本市場では航空機向け部品を手掛けるナブテスコ(6268)や航空機用内装品を手掛けるジャムコ(7408)などに連想買いが入りました。ナブテスコが3.1%高、ジャムコが4.6%高となっています。

さらにアース製薬(4985)とホームセンター最大手のDCMホールディングス(3050)が年初来高値を更新しています。アース製薬は上期の営業利益の見通しを104億円から160億円に上方修正したことで6.2%高となり、ホームセンター最大手のDCMホールディングス(3050)は昨日の取引終了後に発表した第1四半期の営業利益が前年同期比70%増と大幅な伸びとなったことで4.6%高となりました。

一方で同じく昨日の引け後に第1四半期の決算を発表したJ.フロント リテイリング(3086)としまむら(8227)がは営業損益が赤字に転落したことで売られともに5%以上下げています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は米国株高を受けて反発し節目の22,000円を回復しました。しかし、引けにかけてやや上げ幅を縮めたこともあって25日移動平均線(22,397円)を本日は上回ることができませんでした。したがって日経平均は293円高と大きく反発したものの、下値のサポートとしてみられていた25日移動平均線を割り込んだことによる下値不安が完全に解消されたとはいえず、しばらくは25日移動平均線を意識した展開が続きそうです。こうしたなかで明日は寄り付き前の8時50分に日銀短観の発表が予定されており注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)