【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25,745.60  △299.66 (6/25)
NASDAQ: 10,017.00  △107.84 (6/25)

1.概況

米国市場は米金融当局が2008年の金融危機後に導入していた金融規制の一部緩和を発表したことで金融株が軒並み上昇し反発しました。80ドル安でスタートしたダウ平均は新型コロナウイルスの感染再拡大を懸念して朝方に236ドル安まで下落しましたが、持ち直すとその後は前日終値を挟んで揉み合う展開が取引終盤まで続きました。しかし、引けにかけて買いが優勢になると上げ幅を広げ引け間際には323ドル高まで上昇しました。結局ダウ平均は299ドル高の25,745ドルで取引を終えています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も107ポイント高の10,017ポイントとなり10,000ポイントの大台を回復しています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は6万件減の148万件となりましたが市場予想ほど改善しませんでした。一方で5月の米耐久財受注額は前月比15.8%増となり市場予想を上回りました。1-3月期の米GDP確定値は改定値と変わらずの年率換算で前期比5.0%減となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が上げました。そのなかでも金融が3%近く上昇したほか、エネルギーも2%近く上げています。一方で公益事業が1%以上下げています。

4.個別銘柄動向

金融規制の一部緩和を受けてゴールドマン・サックス(GS)が4%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、JPモルガン・チェース(JPM)も3%を上回る上昇となりました。そのほかバンク・オブ・アメリカ(BAC)とシティーグループ(C)も4%近く上げ、ウェルズ・ファーゴ(WFC)は5%近く上昇しています。また、ダウ(DOW)が目標株価の引き上げを受けて4%近く上げダウ平均構成銘柄でゴールドマン・サックスに次ぐ上昇率となっています。

音楽配信のスポティファイ・テクノロジー(SPOT)と画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)も目標株価の引き上げを受けて上昇し、スポティファイ・テクノロジーが10%高となり、エヌビディアも3%近く上げています。一方で全従業員の3%に相当する3900人を削減すると発表した百貨店のメーシーズ(M)が4%余り下落しました。住宅建設のKBホーム(KBH)は決算で売上高が市場予想よりも減少したことで急落し12%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの0.68%となりました。ドル円は107円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の22,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)